SMAP２０周年で記念イベント　“生誕の地”西武園ゆうえんちで

　国民的人気グループＳＭＡＰが９日、埼玉県所沢市の「西武園ゆうえんち」でデビュー２０周年記念イベントを開いた。９１年のデビュー前日（９月８日）にデビューイベントを開いた思い出の地で、サプライズでその日同様、握手会も実施。２０年でアイドルのありようを変えるほどの存在に成長した５人。１万人のファンとふれ合い、木村拓哉（３８）は「初心に戻ります。ここからの第一歩が楽しみ」とＳＭＡＰ新時代の幕開けを宣言した。

　「スマーップ！　ファンミーティング！　イン西武え〜ん！」。リーダー中居正広（３９）の絶叫とともに、５人はデビューイベントの衣装と同じデザインの、黄色と赤のＴシャツ、ベスト姿で登場した。香取慎吾（３４）は「今オレいくつだ…」と動揺し、草なぎ剛（３７）は「薄目で見ればイケてるよ！」と無邪気に喜んだ。

　同所はＳＭＡＰがデビュー前の８９−９１年に出演していたテレビ朝日系「アイドル共和国」の公開収録の会場で、９１年９月８日には台風が直撃し、ファン１万５０００人がずぶぬれになった伝説のデビューイベントが行われた思い出の地。夏季営業が終わった約１万７０００平方メートルの「波のプール」の水を抜き、ステージを設置。８月に発売し５０万枚以上を出荷したアルバム「ＳＭＡＰ　ＡＩＤ」の購入者の応募から、ラッキーな１万人が招待された。

　最後の歌のコーナーでは「がんばりましょう」「オリジナルスマイル」「世界に一つだけの花」に続き、節目でしか歌わないデビュー曲「Ｃａｎ’ｔ　Ｓｔｏｐ！！　−ＬＯＶＩＮＧ−」も披露した。木村は「この曲でまたスタートを切らせていただきます」と宣言し、「せっかくこれだけの人が集まってくれたので、もうちょっとコミュニケーションを取りたい。お願いします」と握手のポーズ。突然のサプライズ発表に、ファンは大興奮、跳び上がって喜んだ。

　８−９月に４カ所で開いた有料ファンミーティングでも握手会をしたが、ＳＭＡＰ単独の無料イベントではデビュー以来２０年ぶり。５人は笑顔を絶やさず２時間半かけて１万人と握手した。

　ファンの質問コーナーでは、ＳＭＡＰらしいぶっちゃけトークを連発。２０年を振り返って木村が「いろいろ、多いからね」と言えば、香取も「５人が４人になったり、また４人になったり…」とメンバーの不祥事、謹慎もネタにして沸かせた。

　デビュー直前の「アイドル共和国」の思い出話では、ジェットコースターに乗るのを拒否した稲垣吾郎（３７）が中居に殴られたエピソードで盛り上がった。香取は「あのとき中居君、言ったよね。『オレたちはこういうこともやらなきゃいけないんだ、これから頑張っていくにはジェットコースターも乗らないといけないんだ！』って」としみじみ振り返った。

　木村は晴れやかな笑顔で「もう一度初心に戻ります。この衣装を着て『マジか！？』と思ったけど、どういう気持ちで人の前に立つかが重要だと思った。ここからの第一歩がすごく楽しみです」。トップにして“オンリーワン”なアイドルとしてさらなる飛躍を誓った。

◆木村拓哉　メンバーが世間をにぎわせることがあった時、先輩から「おれたちは自分で生きてるんじゃない、生かされてるんだからな」と言われ、「（思いを）受け取ってくれる人たちがいるんだ」って意識が強くなりました。

◆稲垣吾郎　デビュー曲を歌って、こみ上げてくるものがあった。（ファンは）どんな時でも僕らのことを愛してくれて、家族だと思っています。ずっとみんなと一緒に生きていきたい。

◆中居正広　２０年こんなに活躍できると思っていませんでした。ここにいる皆さんのおかげです。今日という日のお前らの笑顔、忘れないよ。

◆草なぎ剛　僕もＳＭＡＰでいられて良かった。面白い人たちと出会えて（笑）。歌も踊りもそろわないですけど、みんなに伝える気持ちだけは持っているので、ついて来てください。

◆香取慎吾　この日が来るって分かっていたけど、あらためてここに立つといろいろ考えますね。今までのこと、ありがとう。これからもよろしく！

◆ＳＭＡＰデータボックス　命名はジャニー喜多川社長で「Ｓｐｏｒｔｓ　Ｍｕｓｉｃ　Ａｓｓｅｍｂｌｅ（集める）　Ｐｅｏｐｌｅ」の頭文字から。シングルは５月４日発売の「ｎｏｔ　ａｌｏｎｅ〜幸せになろうよ」まで４６曲を発表。アルバムは８月１７日に発売の「ＳＭＡＰ　ＡＩＤ」までオリジナルとベストを合わせ２４枚を発表。テレビは「ＳＭＡＰ×ＳＭＡＰ」をはじめバラエティーにグループとしても個人としても進出。ほかにＣＭ、ドラマ、映画、ラジオなど幅広く出演している。紅白歌合戦には９１年から昨年までに０１年、０４年を除き、１８回出場。リーダーの中居は５回白組司会を務めている。