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[国際]ニュース トピック:ロシア
ロシア 爆撃機日本一周 安保・領土で野田政権揺さぶり
2011.9.9 23:19
【モスクワ=佐藤貴生】ロシア軍機が日本周辺空域を1周した問題で、ロシア国防省は8日、戦略爆撃機が警戒飛行を行い自衛隊と韓国空軍の戦闘機計10機の追尾を受けたと認めた。一方、プーチン首相は同日、南クリール諸島(北方領土)の開発促進のため年内に追加資金を拠出する方針を示し、北方領土の実効支配を進める意思を明確にした。安全保障と領土問題の両面から、発足間もない野田政権に揺さぶりをかける狙いがうかがえる。
露国防省報道官がインタファクス通信に語ったところでは、2機の長距離戦略爆撃機ツポレフ(TU)95が19時間にわたり太平洋上空などを警戒飛行し、自衛隊や韓国空軍の戦闘機が緊急発進した。報道官は「北極海や大西洋、太平洋などの長距離飛行は通常から行っている。領空侵犯はしていない」としている。
同通信はまた、プーチン首相が8日、極東ウラジオストクでイワノフ副首相と会談し、クリール諸島(北方領土と千島列島)を舞台に進める「社会経済発展計画」(2007~15年)について、今年中に12億ルーブル(約31億円)を増額する政令に署名したと伝えた。
択捉島と国後島での空港建設のほか、観光船が停泊できるよう択捉島の岸壁整備を進め、交通インフラの拡充を加速させる目的とみられる。択捉島では中距離旅客機も発着可能な長さ2・4キロの滑走路をもつ空港の建設が進んでいる。
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玄葉光一郎外相は9日、ラブロフ露外相と電話で会談し、「露軍機の動きに対し日本国民の間で疑念が生じている。刺激的な行動は自制してほしい」と要請した。ラブロフ氏は「国際法上、問題ない」と答えた。また、藤村修官房長官は同日、「特異な事象としてとらえている。露側の対応を踏まえて今後も適切に対応していきたい」と述べた。
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