九州電力玄海原発(玄海町)の再稼働に絡む「やらせメール」問題を調査してきた九電第三者委員会が中間報告書を公表した8日、古川康知事は県庁で報道陣の取材に応じ、「真意とは異なる形で発言メモが作られた」「私が責任を取ることにはならない」などと述べた。主なやりとりは次の通り。
-第三者委は知事発言がやらせの発端になったと認定した。
「当日(九電幹部との面談時)、手帳に書かれたことと発言メモの間に同じような記述があったということで(やらせの発端と)認定されたが、これまで県議会などで話した通り、私としては、真意とは違うところでメモが作られ、それが流通したと考えている。中間報告も『真意は措(お)くとして』と書いてある」
-玄海原発の安全性について、国が県に説明した様子がインターネットで中継された(5月17日)。その前日、県幹部から佐賀支店長(当時)に電話連絡があり「知事の強い希望」として意見投稿を求めた、と中間報告は指摘した。
「私も驚いて確認したが、県幹部が電話したという事実はなく、九電側から電話がかかってきた。九電側も事実とは違うということで、第三者委に再度調査をするように申し入れをしているということだった」
「県幹部の話では私の強い希望というのは、ネット中継をできるだけ多くの人に見てほしい、ということ。私も『多くの人に見てほしい』と言っていた。当時、再稼働に向けて物事が動きだすという状況ではなく、むしろ多くの不安などの意見や声を国に届けようとしていた。その中で、こちらから賛成の意見を出してくれというのはあり得ない」
-政治家としての責任は。
「最終報告を見なければならない。中間報告は、九電の受け止めが表れたものと思っている。責任については、真意とは違う形でメモが作られ、流通したことで、私が責任を取るとはならないと思っている」
=2011/09/09付 西日本新聞朝刊=