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【政治】

鉢呂経産相が辞任 放射能発言で引責、就任9日目

2011年9月11日 00時08分

 鉢呂吉雄経済産業相(63)は10日夜、都内の衆院議員宿舎で野田佳彦首相と会談し、東京電力福島第1原発視察をめぐる一連の失言の責任を取って辞表を提出し、受理された。2日発足したばかりの野田内閣でわずか8日後に主要閣僚が辞任したことで、政権運営に打撃となるのは必至だ。

 政府は10日夜の持ち回り閣議で、鉢呂氏の辞任と、経産相の臨時代理として藤村修官房長官を充てることを決定した。

 これに先立ち鉢呂氏は、経産省内で記者会見し、辞任決断の理由を「不用意な発言を真剣に考えて、このような決断をした」と説明。一連の失言には「率直に(現地を)見た形を表現した。県民(感情)を逆なでするつもりはなかった」と述べた。

 鉢呂氏は8日、首相に同行して原発を視察した後、都内で報道陣の一人に、防災服をなすりつけるしぐさをしながら「放射能をうつしてやる」という趣旨の発言をした。翌9日の記者会見で「(原発周辺は)人っ子一人いない。まさに死の町だった」と発言した。

 鉢呂氏は「死の町」発言に関して謝罪し、撤回したものの、与野党から「原発事故の被災者を傷つける発言だ」との批判が噴出。政府・民主党内では、このままでは13日召集の臨時国会への影響は避けられないとして、早期辞任を求める声が強まっていた。

 鉢呂氏は、10日昼には続投に意欲を示していたが、辞任論拡大を受け、最終的に辞任を決断したとみられる。

 首相は臨時国会召集までに、専任の経産相の人選を急ぐ。臨時国会では、野党側から首相の任命責任を問う声も出そうだ。

(中日新聞)

 

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