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関門海峡沿いに設置の浮輪、半数盗難か
2011年9月10日(土)掲載
下関市で関門海峡沿いに設置されている救助用の浮輪
下関市が唐戸地区の関門海峡沿いに設置している救助用の浮輪が22個なくなっていることが分かった。市は盗難の可能性が高いとみているが「鍵をかけたらいざという時に意味がないし」と頭を抱える。9日は「救急の日」だが、心ない行為のために人命を救えない事態が起こるかもしれない。

浮輪は直径約50センチの硬いウレタン製。海中転落などの事故が起きた際の救助用に、阿弥陀寺町からあるかぽーとにかけての関門海峡沿い約1キロに計50個設置していたが、毎年1、2個ずつなくなり、今年8月初旬に点検したところ28個しか残っていなかった。

鉄パイプ製の台座に据え付けているが、緊急時にはすぐ海に投げ入れることができるよう、長さ約20メートルのロープでつないでいるだけ。だれでも簡単に取り外せる状態で設置しているためか、いつの間にか持ち去られていた。

浮輪は2000年以降、ウッドデッキが段階的に整備された唐戸市場やカモンワーフ、あるかぽーと岸壁に順次設置。8月の関門海峡花火大会前に毎年点検し、減っている場合は移設で調整したり在庫を補充してきたが、半分近くになったため新たに30個発注することにした。

市港湾局は、いたずらで海に投げ込まれたか盗まれたと推測。浮輪は白地に赤い帯を4本あしらい、青色で「PORT OF SHIMONOSEKI」などと書かれデザイン性が高く「記念品として持ち去られたのでは」とみる。

このため同局は再発防止策として、点検の強化や管理簿の作成に加え、今後発注する場合は1個2万円する従来の浮輪ではなく、半額以下の無地を予定。同局施設課の担当者は「こんなことになり悲しい。万が一のとき以外に取り外すことは絶対にやめてほしい」と訴えている。
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