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第一原発 1~4号機の状況は

9月10日 8時32分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

東京電力福島第一原子力発電所の1号機から4号機の原子炉や使用済み燃料プールでは、水を注いだり、新たな冷却装置を設置したりして、燃料を冷やす作業が行われています。原子炉の温度はいずれも100度前後まで下がっていて、事故直後に比べると大きな変化が見られない状態が続いています。

【1号機】1号機では、原子力安全・保安院の解析によりますと、事故当日の3月11日の午後8時ごろ、燃料が溶けて落ちる「メルトダウン」が起きたとみられ、その翌日12日の午後3時半すぎ、原子炉建屋で最初の水素爆発が起きました。燃料は原子炉の底にたまり、一部は原子炉を覆う格納容器にまで漏れ出ているとみられ、現在、1時間当たりおよそ4トンの水を注いで、溶けた燃料を冷やす作業が続いています。その結果、原子炉の周辺に設置されたすべての温度計が、先月中旬以降、100度を下回っています。また、1号機は収束作業が最も進んできたことから、水素爆発の再発を防ぐために格納容器へ窒素ガスを入れたり、爆発で壊れた原子炉建屋から放射性物質の拡散を防ごうと、建屋全体をカバーで覆ったりする作業が、ほかの原子炉に先んじて行われてきました。1号機では、今後、トラブルが起きても原子炉の温度が安定的に100度以下に保たれるよう、注水量を増やすかどうかの検討が行われることになっています。【2号機】2号機では、原子力安全・保安院の解析によりますと、事故の3日後の3月14日の午後11時前に「メルトダウン」が起きて、その翌日15日の午前6時すぎに、原子炉建屋の地下にあるサブレッションプールという施設で爆発が起きて、大量の放射性物質が外部に放出されたとみられています。燃料の一部は格納容器にまで漏れ出ているとみられ、現在、1時間当たりおよそ4トンの水を注いで、溶けた燃料を冷やす作業が続いています。原子炉の周辺に設置された温度計はほとんどが100度を下回っておらず、1号機から3号機の中で温度が最も高い状態になっています。このため2号機では、原子炉の燃料の真上にある配管から直接水をかける冷却を近く始める方針で、ホースの設置などの準備を進めることにしています。【3号機】3号機では、原子力安全・保安院の解析によりますと、事故の3日後の3月14日の午後10時すぎに「メルトダウン」が起き、燃料が原子炉の底に落下したとみられ、また、その日の午前11時ごろ、原子炉建屋で水素爆発が起きました。燃料の一部は格納容器にまで漏れ出ているとみられ、原子炉の温度が高い状態が続いていたことから、現在、1時間当たりおよそ8トンの水を注いでいます。また、今月1日からは、原子炉の燃料の真上にある配管から直接水をかける冷却を、2号機に先行して始めたところ、原子炉の下部の温度は100度を下回る状態になり、一定の効果が出ていると評価されています。東京電力は、今後、温度の変化を監視したうえで、注水量をどのように変化させるのか検討することにしています。【4号機】4号機は、事故のときに定期検査中だったため、原子炉には燃料が入っていませんが、使用済み燃料プールには、最も多い1535本の燃料集合体が収まっていて、プールの冷却が課題です。事故の4日後の3月15日に爆発が起きて、プールを支える壁も壊れて、耐震性も懸念されました。プールの冷却は、本来の循環型の冷却機能が失われたため、特殊車両による放水などで冷却が続けられてきましたが、7月下旬からは循環型の冷却システムの運転が始まり、温度は現在、40度前後と安定しています。今後は、使用済み燃料を取り出すまでの長期的な運用が課題となるため、先月下旬からは、事故当初に放水した海水の塩分で配管などが腐食するのを防ぐため、塩分を取り除く装置の運転も始めています。また、プールの耐震性を高めるため、底を支える鋼鉄製の柱を設置して、その周りにコンクリートの壁を作る工事を7月下旬に終えていて、プールを支える構造物が完成しています。