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東日本大震災:陸前高田「復興の一本松」衰弱 新芽茶色に

衰弱していると見られる高田松原の一本松。葉が茶色に変色している=岩手県陸前高田市で2011年9月9日、小川昌宏撮影
衰弱していると見られる高田松原の一本松。葉が茶色に変色している=岩手県陸前高田市で2011年9月9日、小川昌宏撮影

 岩手県陸前高田市の名勝・高田松原で津波に耐えて残った一本松の観察を続けている財団法人「日本緑化センター」(東京都)は10日、ホームページで「樹勢は再び衰弱に陥った」と発表した。7月に確認された新芽の多くが変色し「状況としては厳しい」と指摘している。

 センターなどによると、一本松は7月3日に新芽が点在しているのが確認できたが、今月4日の観察では、新芽の多くが緑色から茶色に変わっていた。震災による地盤沈下で海水面に近づき、根が塩分を吸い上げているため衰弱が進んでいるとみられる。

 地元の「高田松原を守る会」会長を務める鈴木善久さん(66)は「震災後、目にした時は私に『負けるなよ』と言わんばかりでした。最後の最後まであきらめずに方策を尽くします」と話した。

 独立行政法人「森林総合研究所林木育種センター東北育種場」(岩手県滝沢村)などで接ぎ木した一本松の苗は7本が生育中。鈴木さんによると、震災前に住民が松原で拾った種子から発芽した苗約400本も順調に成長している。将来は海岸に「子孫」を植え、松原を再生させる構想もある。【沢田勇】

毎日新聞 2011年9月10日 10時51分(最終更新 9月10日 12時18分)

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