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 翌日
    【テーマ】
  • 『ついにゆとり世代入社 企業の傾向と対策とは』
    【ゲスト】
  • 田北由樹子 社会保険労務士
  • 柘植智幸 人材育成コンサルタント
  • 石川隼 フジテレビ新入社員
  • 木下悠貴 フジテレビ新入社員
    【解説キャスター】
  • 小林泰一郎 解説委員

今時の新入社員 その生態とは

 自立心に乏しく、自分に甘い新入社員の事を「シュガー社員」「俺様社員」「ゆとり社員」というあだ名がついており、その中で共通していることが過保護だという。例えば、遅刻や休みの連絡を親が電話をかけてくるなど非常識な行動が目立っている。柘植氏は「基本的には、採用段階においての学生の質が下がってきています。コミュニケーションスキルが極めて低く、簡単な質問にも答えられない。そうすると会社側も人材は欲しいが、採用できないという状況になっています」と述べた。
 また、明治安田生命の新入社員に向けたアンケートで、就職先を選んだ理由は会社の安定性というのが大半を占めており、将来は役職には興味がないという結果がでた。 それに対して柘植氏は「まだ、仕事に対して向き合う事が出来ない人が多い。昔みたいに社会にでたら絶対働かないといけないという学生の中での常識も段々薄れていっていますね」と学生の仕事に対する意識のズレを語った。田北氏は「上下関係も苦手だと思います。今は、親も学校の先生も恐い存在ではないです。その環境の中で社会人となり、上司から注意を受けたりすると後ずさりしてしまう傾向はあると思います」

今どきの新入社員 職場崩壊の危機

 すでに若い社員が問題で職場崩壊が起きている所もある。田北氏は「社会人として駄目な事を悪気なくやってしまう。例えば、実際にあったことで
“挨拶をしない”
これは依存心の強さだと思います。上司が部下に対して気持ちよく働く為に気を使うべきで、上司がお手本を示すべきではないかという考えなのですね。動いてほしかったらお手本を見せてほしいということです」柘植氏は「なぜ挨拶をしないといけないかが分からない。例えば、新入社員研修で挨拶を教えました。その後現場に配属され上司が挨拶をしていないと、何故上司が挨拶しないのに研修で挨拶を学んだのですか?と、彼らにとって矛盾になっていくのです」と語った。

今どきの新入社員“ゆとり教育”の影響は…

 田北氏は「ゆとり教育は学力低下というより個性を大事にし、才能を開花させるという教育でもあったと思うので、むしろ個性重視の弊害があると思うのですね。あまりにも個性をだしすぎるというのも問題です」柘植氏は「私は、学力低下に関しては塾に行く子と行かない子の差はやっぱりあると思います。それが入社した後どう関係あるかといえば、見た目で違う事を個性だと勘違いしや すい。人と真似できないことが個性であり、髪の毛を染めるだとかすぐに真似できることを個性だと勘違いしている」と個性の独り歩きについて語った。

問題社員誕生の背景

 柘植氏は「基本的に今の問題社員の大半は、情報を取得する能力が高いです。悪くいえば、悪知恵が働きやすいです。ネット社会が引きおこす原因と同時に、ネットを使ったコミュニケーションが当たり前だとなっていますね。ネット能力が高い新入社員と上司とでは、人間関係が希薄になり学生時代に想像していた関係と違うので、アレルギー反応を起してしまいます。そしてそのアレルギー反応を他のせいにしてしまいます。例えば、上司とか、飲みにケーションだとかですね。
 あともう一つ、今の若い子は、話しかけられて答えるのがコミュニケーションだと思っている。それは反応しているだけですよね」と根底の考え方から違うと述べた。
 島田キャスターの「今の若い方々は空気を読むのがとても上手だという話もありますよね。それなのにフェイストゥーフェイスが苦手だと思ってしまうのは何故なのでしょう?」という質問に、田北氏は「濃い人間関係が苦手なのだと思います。気楽な関係が好きだと思います」と答えた。
 反町キャスターの「時代的な背景からいうと、年功序列や終身雇用など一つの雇用モデルの夢が壊れてきている。それが社員に与える影響も多いのではないか?」という質問に田北氏は「長く働いても報われないのでは?という不安と、今よく言われているのが中 高年がしがみついているから働き口がないのではないかと話題に出ているので、若い人たちが上の世代が悪いという考えになっています」

今どきの新入社員 上司の対処法

 田北氏は「きちんと彼らと仕事をするには、理解しないといけないです。そこで上司が心がける事としては、
①過去の自慢話をしない
②私生活への食い込みを遠慮する
③人間をひとくくりにしない
④他人と比較しない
⑤指示を出しっ放しにしない
⑥押し付け感を出さない
⑦宴会での下働きの強要や説教をしない
 今まで会社側は新入社員といえばこうだろうという固定観念があった。その為、関係がうまくいかなかった。そうではなく、時代の流れがこうなっている今、会社側も考え方を少し変えていかないといけないと思います」と語った。

田北 由樹子 社会保険労務士の提言: 肉食系活用

 草食系というのが今何かとはやっていますが、その反対の肉食系が必要です。肉食系とは自分の欲望が高く、その欲望にたいして忠実です。その人が何に対して興味が湧くのか見出して上手に引き出してあげるべきです。

柘植 智幸 人材育成コンサルタント:モラル教育

 新入社員に対して、徹底的に教育するのがカギです。具体的にいうと、自立と自責です。僕らは、ビジネスの世界は「お金儲けの筋肉トレーニングの事務所」といいます。色々な筋肉痛があって、自分の得意な上司以外と会うと嫌だ、逃げたい、と思うのは筋肉痛の一種で、いちいち筋肉痛で心が折れちゃだめだよということを徹底的に伝えることで今の上司の方々でも馬が合う人材が出来ると思っています。



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