9日午後7時20分ごろ、北九州市小倉北区熊本のマンション駐車場で、福岡県警小倉北署員が、このマンションに住む男性らが使用する乗用車のシートの下から、封筒に入った手りゅう弾とみられる金属製の塊1個を発見、県警機動隊爆発物処理班が同署に回収した。同署は火薬類取締法違反の疑いもあるとみて、男性から事情を聴く方針。
現場の北約300メートルには、北九州市に拠点を置く指定暴力団工藤会の本部事務所がある。同署は爆発の恐れもあるとみて、マンションの住人約50人を半径100メートル圏外に約3時間、避難させた。
同署によると、塊は卵形で、長さ7センチ、幅5センチ。内部に火薬が残っていたが、信管はなかったという。署員が別の事件に絡んで車を家宅捜索していて、折りたたまれた封筒に入っているのを見つけた。車はマンション敷地内にある立体駐車場の2階に止められ、所有名義は別の人物という。
現場はマンションや団地が並ぶ住宅地で、近くにはメディアドームや小学校がある。マンションの向かいの団地に住む男性(68)は「避難指示が大声で繰り返されるので、外を見ると大勢の警察官がいて驚いた。県内では発砲や爆発物の事件が多発しており、怖い」と話した。近所の女性(28)は「子どもが2人いるので安全が心配です」とおびえた様子だった。
=2011/09/10付 西日本新聞朝刊=