泊原発の再稼働を許した経産省出身の高橋北海道知事と対立していることなどから、当ブログでは自分の記事のコメント欄に鉢呂経産相は期待できそう?、と書いたのですが、本当に期待できるかもしれません。
なにしろ菅内閣・野田内閣を通じて始めて「原発ゼロ」=原発廃止を打ち出したのですから。
「鉢呂吉雄経済産業相は5日、産経新聞などのインタビューに応じ、東京電力福島第1原発事故 を受けた今後の原子力政策について、「基本的に原発はゼロになる」と述べた。民主党政権はこれまで原発への依存度を下げていく方針は打ち出していたが、原発ゼロを明言したのは初めて」 産経新聞
鉢呂経産相は、「新しく建設することは難しい」との認識を表明。さらに、寿命がきた原発は廃炉にするとの方針を示しました。既存原発を建て直すことについても、「できないだろう」と述べました。電源開発の大間原発(青森県)など建設中の原発についても、「建設を凍結し ている段階で、どう考えるかは今後十分検討していく」とし、差し止めの可能性も否定しなかったのです。
また、瀬戸内で最も美しい田ノ浦に作られようとしていた中国電力上関原発については読売新聞などのインタビューで事業中止検討も言及しました。
おっしゃっていることは当たり前なのですが、原発推進の読売・産経新聞としてはのけぞったでしょう(笑)。
原発ゼロは可能です。
今、福島第1原子力発電所の事故の影響で、全国54基ある原発のうち稼働しているのは11基にとどまります。
その11基も順次定期検査に入り、停止中の原発の再稼 働がないと来年5月には稼働がゼロとなります。
そのまま再稼働をしないで、来年の夏以降をしのげれば、原発ゼロが自然に達成できます。
原発の再稼働については、鉢呂経産相は
「1カ月以内に各電力会社が1基程度ずつストレステストの第1次評価が提出されるので、原子力安全・保安院、原子力安全委員会、IAEA(国際原子力機関)での評価をお願いしたい。評価を得て政治の判断をしていきたい」と述べました。
IAEAは原発を推進するための機関ですから、世界の原発稼働に影響を与えるような評価はするわけがありません。ここが一つの問題ですね。
鉢呂経産相が早くも脱原発を明確にした発言をしたことで、原発推進の立場の野党自民党や、読売新聞などが猛然と攻撃するのは目に見えています(同じインタビューについての読売新聞の記事の見出しが末尾のように「TPP答え用意ない・説明会中断知らず…経産相」ですから、露骨ですW)。
産経新聞が「鉢呂経産相も外国人献金」などと見つけてくるような気がしますし。
一番恐ろしいのは、経産相の手足となる経産省の官僚による巻き返し。サボタージュと洗脳攻撃です。
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TPPについては微妙な言い回しですが、少なくとも海江田原発推進相に代わり、せっかくみずみずしい感覚の鉢呂経産相が生まれたのですから、これは国民が守らないといけませんね。
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読売新聞の社説に続き、さっそく、産経新聞の攻撃が始まりました。これは絶対に必死で鉢呂経産相の外国人献金を探しているに違いありません。
経産相の原発ゼロ発言、衝撃と困惑 普天間の時と同じ 何を信じれば…
【新閣僚に聞く】鉢呂吉雄経済産業相 原発、基本的にはゼロになる
2011.9.6 05:00 sankeibiz
インタビューに答える鉢呂吉雄経済産業相=5日、東京都千代田区の経産省(寺河内美奈撮影)【拡大】
「新設は難しいし、寿命がきた原発は廃炉にしていく方針は首相と共有している。既存原発の敷地内での新たな原発の建設もできないだろう。基本的には原発はゼロになっていく」
−−その際の電源のあり方は
「原発の寿命をどの程度とみるかで違ってくる」
−−成長戦略の要である原発輸出に影響は出ないのか
「輸出は相手国との契約の中で続ける。稼働を停止しても原子炉管理は長い年月続く。輸出できないということでもない」
−−再稼働について国際原子力機関(IAEA)のチェックを受ける方向性を示している
「現状ではストレステスト(耐性検査)結果を原子力安全・保安院と原子力安全委員会が評価する。そこにIAEAも加わることは、国民の理解を得るのに意味がある」
−−環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の基本姿勢は
「あるべき姿を描きたい。TPPは絶対反対、絶対推進という議論に陥りやすいが、対立を乗り越える余地はある」
−−11月のAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議までに方針を決定するのか
「早く決めた方がいいが、震災の被災地の状況や交渉の進捗(しんちょく)状況、産業空洞化の懸念を総合的に判断したい。何がなんでも11月ということではない」(小雲規生)
経産相「原発はゼロに」 既存立て直しも否定
鉢呂吉雄経済産業相は5日、産経新聞などのインタビューに応じ、東京電力福島第1原発事故 を受けた今後の原子力政策について、「基本的に原発はゼロになる」と述べた。民主党政権はこれまで原発への依存度を下げていく方針は打ち出していたが、原発ゼロを明言したのは初めて。
鉢呂経産相は、「新しく建設することは難しい」との認識を表明。さらに、寿命がきた原発は廃炉にするとの方針を示した。既存原発を建て直すことについても、「できないだろう」と述べた。電源開発の大間原発(青森県)など建設中の原発についても、「建設を凍結し ている段階で、どう考えるかは今後十分検討していく」とし、差し止めの可能性も否定しなかった。
さらに廃炉の手続きについて、「原発の寿命をどの程度と見るかで違う。専門家の皆さんに調査してもらうことが必要だ」と述べ、基準を策定する考えを示した。
野田佳彦首相も、就任会見で、「寿命がきた原発は廃炉にし、新規は難しい」と述べていたが、原発ゼロには言及していない。
政府は原発事故後、「2030年までに14基を新設し、発電量に占める原発の割合を53%に引き上げる」としてきた現行のエネルギー基本計画を白紙から見 直す方針を打ち出している。今後、政府のエネルギー・環境会議は年内に基本方針を策定。経産省も総合資源エネルギー調査会で、今後の電源構成などを議論し ていく予定だ。
鉢呂吉雄経済産業相は五日、本紙などとのインタビューで、原発を新規に建設しないことにより将来、国内の原発がゼロになる可能性について、「基本的にそういうことになる」と述べた。
中部電力は浜岡原発で、廃炉にする1、2号機の替わりに6号機を新設する「リプレース」を計画中。こうした動きには「立地条件は関係ない。新しい原発を造らないと言っているのに、どうやって造るのか」と実現に否定的な見方を示した。
さらに「計画段階のものについては、新しく建設することは難しいのではないか」とも指摘。福島第一原発事故を受けて中断している中国電力上関原発の工事再開は困難、との見方を示した。
この夏、実施された電力使用制限に関しては「冬は回避し節電努力でやっていきたい」と述べ、使用制限令の発動を控える考えを示した。ただ、企業や家庭に対する節電への協力は引き続き求めていく考え。具体的な削減率の目標値については「そこまではまだだ」と話すにとどめた。
TPP答え用意ない・説明会中断知らず…経産相
鉢呂経済産業相は5日、読売新聞などのインタビューで、野田首相が表明した「脱原発依存」の方針に関連し、中国電力が建設準備中の上関かみのせき原子力発電所について「計画段階のものを新たに建設するのは困難だ」と述べ、事業中止を含め検討する方針を示した。
着工済みの中国電力島根原発3号機などについては、「現実に工事は凍結している。どう考えるかは今後検討する」と述べ、継続に慎重な姿勢を示した。
野田首相は原発を新増設せず、寿命が来た原発を廃炉にする方針を2日の就任会見で表明している。
環太平洋経済連携協定(TPP)については、米豪など9か国が枠組み合意を目指す今年11月までに交渉参加の是非を判断することについて、「まだ答えを用意していない」と慎重な考えを示した。また、政府が2月に始め、震災で中断しているTPPの全国説明会「開国フォーラム」について、「中断したことも知らなかった。(再開するかどうかは)即断できない」と述べ、そもそも関心が薄かったことをうかがわせた。
鉢呂吉雄経済産業相は5日、毎日新聞などのインタビューで、今冬の電力需給について「電力使用制限令を回避できると思う」と述べ、強制力のある電力使用制限令の発動を見送ることができるとの見通しを示した。
経産省は、原発の再稼働がない場合、沖縄を除く9電力会社合計で、ピーク需要に対する供給余力の比率を示す「供給予備率」がマイナス0・7%になると試算。だが、鉢呂氏は「(原発が)定期検査のため止まり、各社で(需給の)でこぼこが出るかもしれないが、各社で融通ができる」と述べた。
ただし、来夏については「かなり精査を行わなければならない」と指摘。「定期検査後の再稼働がなければ、(来年の)4月以降、全原子炉が停止になるので、かなり厳しいと思う」と述べ、電力使用制限令の発動の可能性を示唆した。
政府は今夏、電力需給の逼迫(ひっぱく)を受け、東京電力、東北電力管内の大口需要家に対し7月からピーク時の電力を昨夏比15%減らす電力使用制限令を発動した。終了日は東電管内で9月22日、東北電は9日の予定だったが、節電効果などから、東日本大震災と新潟・福島豪雨の被災地を対象に2日に先行解除。被災地以外についても東電管内は東北電管内と同じ9日までに早める。【野原大輔】
毎日新聞 2011年9月6日 東京朝刊
これは、上記の新聞記者が、取材の会話を具体的に記事として紹介した、「原発のゼロ」その他関係記事を考えれば、ナールホド当たっていた。その政治的な予測の感に、ホトホト感心。しかし、鉢呂大臣も、実際には”世論を様子見している気配”が、少なからず見えるのではないだろうか?
考えてみれば、かつての自社二党による政局だったなら、このような重大な歴史的大問題に対して、社会党と総評など全国的な労働組合も、大衆動員で動いたに違いない。
1960年安保の国会デモを、半世紀前だが昨日のことのように思い出す。半世紀を経て原発のFukushima過酷事故爆発を、当時、想定できた人は稀だろう。
しかしながら、時代は大きく一転し、連合の労働戦線となり、学生運動などの国際運動も低迷し、その国際的な社会変動がソ連共産主義国家の崩壊となった。グローバル化の波の中へ、日本も漕ぎ出す流れ、、、どこへ流れ着くのか、未だ定かではない。
沈着、冷静に、原発問題に対して処すべき、様相となっているが、方向性を未だに見失っている。まー、この原発問題は、日本国一人のテーマでもなく、IAEA原子力国際機関の新しい基準設定も始まった。
しかも、ドイツ、イタリアなど、原発廃止決定諸国なども、全廃を決めた。また、アメリカの1950年代以来、半世紀以上の大統領推進宣言から始まる、歴史的の流れもあって、この日本も追随した国策である。
さらに、今後の国内政治を見通して、一般の国民が冷静に対応処理しなければ、第二のFukushima原発爆発を惹き起こす、難しい舵取りを要する。最重要の課題だから、当面の動きをジーット注視する必要がある。もっとも、唯、見ているのも芸のない話でして、これは世紀的な難題であり、調査研究には体力勝負だから、労力を消耗する。
巨大科学の人的ミス、ヒューマン・エラーの破壊工学システムの解明は、地震、津波の確率統計だけでは計れない。ここが、日本国中で、狂っている原因でしょう。原発には、通常の製造業生産性向上、研究開発R&.D技術開発とは異なる。
安全性保障の別途、手続きを必要とします。理解は、ごく単純ですが、先入観と、専門性の解説を必要とする。この理解を、周知する必要性が、求められれる。すなわち、射性物質の被曝は、原爆でも原子炉でも同様に、仮に確率が一万分の一であっても、一発の原発大事故で、日本列島は水爆一発に匹敵する破壊力により、消滅してしまう。
これが、シミュレーションの結果で、世界的な常識ですが、安全性の神話によって、日本の原発過酷事故を発生した経緯でした。「原子力災害は確実に起こる」と100パーセント想定して、その対策を日常から準備しない場合に、右のようにならざるを得ない。これが、今回、”福島の教訓”でして、日本人の起した過酷事故の教訓を、「自ら学習できない者は、国際的に相手にされなくなる。」原発事故は、国際問題なのでして、単なる国内の課題ではない。
したがって、一生懸命、ただ泥鰌のように、ドロの中を這い回り、泥臭い作業をやっていさえすれば、良かろうという野田佳彦内閣内閣大臣の発想は、柔道部活の練習でして、「オッスッ!」の上下関係に過ぎない。このように封建的な人間関係では、巨大科学システムの対処に、当てはまらない。
”知性と叡智、科学的合理性”を、このワン・イッシュー問題には、求められている。
これらの課題は、以前から話題となって来たのだが、実際に経済産業省、資源エネルギー省、閣議、国会と、初めて本格的なテーマに登場する模様です。
これらは、結果的に同一の原因によって、生じる福島原発事故被曝が、因果関係のオン・イッシュー問題だから、財政、産業、社会生活などに絡んで、結果的に増税へ還元される。
最後は増税だが、その増税問題をこの野田政権は、早速、本格稼動したので、一刻も気を許せない段階の時期に入った。