日本と異なる米国のテレビ・DVD事情(1)米国のテレビ事情
2011年09月08日22時13分
今まで、実家から子供用の番組をDVDに録画して送ってもらっていたのだが
うちにあるDVDレコーダーがCPRMに対応しておらず不便であることや、
フルハイビジョンの16:9の画面で写すと画質の低さや縦横比が問題となることから、
新しくブルーレイ・プレーヤーを買ってみた。
購入を検討すると、日米でテレビやブルーレイ・DVD機器を取り巻く状況はは随分違う事に気付く。
そこで、まずは米国人のテレビ環境についてまとめておく。
米国人は、そもそも地上波で配信されているテレビをあまり見ないように感じる。
米国のテレビ番組は、日本のような、視聴者との一体感を煽るようなワイドショー的な番組が少なく、
映画、ドラマ、スポーツ番組、子供向け番組、ニュース、議会の中継などが淡々と続く。
日本で言えば、NHK教育のような雰囲気の放送が多い。
その結果、米国人は「人気放送局の番組」を見るのではなく、
ケーブルテレビに契約して、テーマの決まったチャンネルを見たい時に見ることが多い。
日本のケーブルテレビの世帯普及率は、
2010年時点で48.8%(総務省調べ)だそうだが、
米国のケーブルテレビ普及率は93%にも上るのはそうした事情だろう。
米国ではそもそも磁器や電子メディアにテレビ番組を
録画するという習慣自体が廃れていている。
視聴者は、オンデマンドの配信のみを用いるか、
録画するにしても、せいぜい、ケーブルテレビ会社が配布する
デジタルビデオレコーダー(DVR)を使う程度だ。
家電量販店最王手の BestBuy のページを見ても、
ブルーレイ・レコーダーなど皆無で、
あるのは、ブルーレイのプレーヤーと
辛うじて普通のDVDのレコーダーだけである。
ウォルマート系の会員制量販店の Sam's Club のウェブサイトでは
プレーヤーですら、「TV & TV Accessaries」のコーナーに追いやられている。
米国人が録画をしなくなった大きな理由は、
コンテンツの配信がオンデマンドのストリーミングになったことだろう。
ケーブル会社もオンデマンドのチャンネルを用意したりしているし、
インターネット経由の映画やテレビドラマの配信が
急速に一般的になってきている。
日本に比べ、米国でオンデマンドのコンテンツ配信が増えた理由はいくつかある。
その一つはもちろん、著作権を持っている団体と配信業者が
早く合意に至ったことだろう。
それに加えて、上に書いたように、米国の視聴者のテレビの使い方は
従来からオンデマンドに近かったため、ストリーミングに馴染むのが
早かったということも関係している可能性が高い。
また、もう一つ見逃せないのは、ケーブルテレビの利用料が近年、
あまりに高くなっていることである。月額の利用料は2001年の
37ドルから、2010年には71ドルへと2倍近くに上がっている。
年率に換算すれば7%を越す値上がりになり、
年2〜3%の一般物価の上昇に比べてあまりに急激である。
そうしたことを背景に、昨年の米国のケーブルテレビ
(人工衛星等を使ったものを含む)の契約件数は初めて前年を下回った(下図)。
もちろんこれには不況の影響も大きいだろうが、高速インターネットの普及世帯数の方は
順調に伸びており、勢いの違いは見逃せない。
ちなみに、日本のケーブルテレビは依然として低いながら普及率の上昇が続いている。


こうした違いによって、テレビの周辺機器を取り巻く環境も大きく異なる。
コンテンツの提供機器については次回に書きたい。
うちにあるDVDレコーダーがCPRMに対応しておらず不便であることや、
フルハイビジョンの16:9の画面で写すと画質の低さや縦横比が問題となることから、
新しくブルーレイ・プレーヤーを買ってみた。
購入を検討すると、日米でテレビやブルーレイ・DVD機器を取り巻く状況はは随分違う事に気付く。
そこで、まずは米国人のテレビ環境についてまとめておく。
1.米国人は無料テレビ番組をあまり見ない
米国人は、そもそも地上波で配信されているテレビをあまり見ないように感じる。
米国のテレビ番組は、日本のような、視聴者との一体感を煽るようなワイドショー的な番組が少なく、
映画、ドラマ、スポーツ番組、子供向け番組、ニュース、議会の中継などが淡々と続く。
日本で言えば、NHK教育のような雰囲気の放送が多い。
その結果、米国人は「人気放送局の番組」を見るのではなく、
ケーブルテレビに契約して、テーマの決まったチャンネルを見たい時に見ることが多い。
日本のケーブルテレビの世帯普及率は、
2010年時点で48.8%(総務省調べ)だそうだが、
米国のケーブルテレビ普及率は93%にも上るのはそうした事情だろう。
2.米国人はもはや録画しない
米国ではそもそも磁器や電子メディアにテレビ番組を
録画するという習慣自体が廃れていている。
視聴者は、オンデマンドの配信のみを用いるか、
録画するにしても、せいぜい、ケーブルテレビ会社が配布する
デジタルビデオレコーダー(DVR)を使う程度だ。
家電量販店最王手の BestBuy のページを見ても、
ブルーレイ・レコーダーなど皆無で、
あるのは、ブルーレイのプレーヤーと
辛うじて普通のDVDのレコーダーだけである。
ウォルマート系の会員制量販店の Sam's Club のウェブサイトでは
プレーヤーですら、「TV & TV Accessaries」のコーナーに追いやられている。
3.米国の主流はストリーミングへ
米国人が録画をしなくなった大きな理由は、
コンテンツの配信がオンデマンドのストリーミングになったことだろう。
ケーブル会社もオンデマンドのチャンネルを用意したりしているし、
インターネット経由の映画やテレビドラマの配信が
急速に一般的になってきている。
日本に比べ、米国でオンデマンドのコンテンツ配信が増えた理由はいくつかある。
その一つはもちろん、著作権を持っている団体と配信業者が
早く合意に至ったことだろう。
それに加えて、上に書いたように、米国の視聴者のテレビの使い方は
従来からオンデマンドに近かったため、ストリーミングに馴染むのが
早かったということも関係している可能性が高い。
また、もう一つ見逃せないのは、ケーブルテレビの利用料が近年、
あまりに高くなっていることである。月額の利用料は2001年の
37ドルから、2010年には71ドルへと2倍近くに上がっている。
年率に換算すれば7%を越す値上がりになり、
年2〜3%の一般物価の上昇に比べてあまりに急激である。
そうしたことを背景に、昨年の米国のケーブルテレビ
(人工衛星等を使ったものを含む)の契約件数は初めて前年を下回った(下図)。
もちろんこれには不況の影響も大きいだろうが、高速インターネットの普及世帯数の方は
順調に伸びており、勢いの違いは見逃せない。
ちなみに、日本のケーブルテレビは依然として低いながら普及率の上昇が続いている。
こうした違いによって、テレビの周辺機器を取り巻く環境も大きく異なる。
コンテンツの提供機器については次回に書きたい。
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