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9・11同時多発テロから10年 アメリカ市民は犠牲者だが、アメリカは加害者だ

Everyone says I love you !
 弁護士会の会報は「自由と正義」というのですが、ブッシュ前米大統領によるイラク戦争以降、本当に「正義」という言葉が嫌いになりました。

 アメリカが長年「正義の戦争」をしつづけてきたこと。

 それに対するイスラム過激派の聖戦という名のテロ。

 その双方に言えることは、自分たちの「正義」を実現するためには相手を殺すことも厭わないということです。

 また、今年7月のノルウェーの極右による銃乱射・大量殺害にも、人の命より自分だけの「正義」優先の思想を感じます。

ノルウェー連続テロ事件生存者「私たちが共にどれだけ大きな愛をみせることができるか考えてみてください」




 ノルウェー連続テロ事件

 「地上唯一の超大国」アメリカ合衆国。

 10年前の2001年9月11日、そのアメリカがかつてない惨劇に見舞われましたのが同時多発テロです。

  旅客機4機が乗っ取られ、2機がニューヨークの世界貿易センタービルに突入しビルは崩壊しました。3機目はワシントン近郊の国防総省に激突、4機目はペンシルベニア州に墜落しました。

 死者は計約3千人にもなります。


9・11同時多発テロ

 しかし、9・11テロは大規模とはいえ、侵略戦争ではなく、犯罪でした。

 ですから、これに対する「自衛戦争」は成り立ちません。

 対処法としては、警察力を行使して、国際間の取り組みで犯人を見つけ出し、身柄拘束し、裁判にかけ、適正な処罰をすれば良かったのです。今年ビンラディン容疑者を見つけたように、CIAなどあらゆる情報機関を使ったら良かったのです。普通の犯罪でも何年もかかることはざらにあるのですから。

 ところが、当時の共和党ブッシュ政権は、ろくに捜査もしないで9・11は同容疑者の率いる国際テロ組織アルカイダの犯行と断定し、「自衛戦争」だと称して、2001年にアルカイダをかくまったタリバン(とアフガニスタン)を攻撃しはじめました。

 アフガンの多くの市民にとっては、とばっちりでしかありません。明らかに国際法違反の武力行使です。

 そして、さらに、アメリカは2003年にイラク戦争を始めました。

 これらの戦争をアメリカ国民は「愛国心」から、当初熱狂的に支持しました。

 しかし、ブッシュ政権の本当の目的は、親ブッシュが湾岸戦争でなしとげられなかったフセイン政権打倒と、石油と復興利権を含む湾岸支配にあったことは、少なくとも、アメリカ以外の諸外国の多くの市民にとっては明らかでした。

 最初から、自衛戦争、対テロ戦争とは名ばかりでした。イラクが攻めてきたわけではないことは明らかだったし、イラクにアルカイダはいないことは知られていたからです。

 いつの間にかイラクに「大量破壊兵器」がある可能性があって、サダム・フセインの独裁がなされている、というだけで、国際法違反の戦争が正当化されたのです。

 そういう国なら他にも一杯あるのに。そんなことを言っていたら、朝鮮半島で戦争が始まりかねません。アメリカが支援している国にもいくつもあるのです。
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