日本の花火は世界一精巧で美しいと言われています。それは幾多の花火師たちが精魂を込めて、文字通り命を懸けて伝えてきた伝統技術だからです。
中国から伝わった花火の火術に、日本人が鮮やかな色を付け「大輪の花火」と言われる程に鮮やかに丸く開くようにしました。
花火の起源はいろいろと伝えられていますが、阿波花火の場合は軍用火術であったと伝えられています。
秦の始皇帝の時代に中国で「狼煙(のろし)」として使われていた黒色火薬が花火の始まりのようで、シルクロードを通って火薬がローマに伝わり、ヨーロッパ諸国最初の花火がイタリアのフィレンツェに始まったとされています。
日本に火薬が伝わったのは1543年、ポルトガル人が漂着した時に持っていた鉄砲の部品であったと伝えられています。その後、火薬は狼煙や火砲に使われますが、1613年に現在のような観賞用の花火を最初に見たのが駿府城の徳川家康だと伝えられています。また、最近になって徳川家康より24年前(1589年)に伊達正宗が花火を楽しんだという記録や、ポルトガルの宣教師が花火を打上げて人々を驚かせたという話もあるそうです。そして泰平の世の中で鑑賞用の花火となって、多くの花火職人の手により現在の花火へと変化してきました。
|