東日本大震災で岩手、宮城、福島の3つの県で亡くなった人のうち、1万5000人余りについて警察が調べたところ、およそ90%が津波による水死で、半数以上が65歳以上だったことが分かり、多くの高齢者が津波から逃げ遅れて亡くなった実態が改めて明らかになりました。
警察庁は、大震災から半年を前に、岩手、宮城、福島の3つの県で死亡が確認された人の死因などを各警察本部が分析した結果を、改めて公表しました。それによりますと、3つの県で先月31日までに検視を終えた1万5689人のうち、90.5%に当たる1万4204人が水死で、津波に巻き込まれて死亡したことが分かりました。また、倒壊した建物の下敷きになったり、津波で流されて体をがれきに打ちつけたりして死亡した人が、4.5%の709人に上るほか、1%の159人は焼死でした。また、身元が確認された人のうち1万4553人をみますと、▽10歳未満が3.2%の465人、▽10代が2.8%の414人、▽20代が3.5%の505人、▽30代が5.6%の813人、▽40代が7.3%の1063人、▽50代が12.2%の1775人、▽60代が19.1%の2784人、▽70代が24.4%の3557人、▽80歳以上が21.8%の3177人となっています。このうち65歳以上の高齢者は全体の55.7%を占めています。阪神・淡路大震災では倒壊した建物の下敷きになるケースがほとんどで、窒息死や圧死が72.6%を占めていましたが、今回は高齢者を中心に、大多数の人が津波から逃げ遅れて亡くなった実態が、改めて明らかになりました。