'11/9/10
折り鶴委「思い残す再生を」
広島市は9日、国内外から毎年1千万羽以上届く折り鶴の活用策を考える有識者委員会の初会合を市役所で開いた。来年2月に報告書をまとめ、松井一実市長に提出する。
委員は大学教授や被爆者団体、古紙再生業界の代表など6人。初会合には全員が出席し、委員長に広島ユネスコ協会の北川建次会長を選んだ。松井市長は「折り鶴に込められた思いを昇華し、核兵器廃絶と恒久平和への願いを共有するため知恵をいただきたい」と審議を要請した。
市の担当者が公募で寄せられた203件の活用案を説明。「再生紙」が46%と最多で、「焚(た)き上げ」32%▽「展示」21%▽「記念品・寄贈」13%―と続いた。
委員からは「保管ではなく、折る行為そのものに意義がある」との意見の一方、「保管に困るから燃やすというのは抵抗がある」といった注文があった。終了後、北川委員長は「平和を願い折ってくれた人たちの気持ちを残す形で再生策を考えたい」と話していた。
保管する折り鶴の総量は98・2トンに上る。
【写真説明】折り鶴の活用策について議論した検討委員会の初会合