宇宙航空研究開発機構(JAXA)は9日、2015年以降に金星軌道への再投入を目指している探査機「あかつき」のエンジンの試験噴射を7日にした結果、当初予想していた推進力の13%程度しか出なかったと発表した。
JAXAによると、試験では昨年12月に異常があった軌道制御用エンジンを2秒間噴射した。燃焼室の破損や噴射器が正常に機能していない可能性があり、14日にさらに5秒間の噴射試験を行い、推進能力を再確認するという。
JAXAは、軌道制御用エンジンが使えなくても、別の姿勢制御用エンジンで金星に再投入できるとしている。ただし、より金星に近い軌道への投入には短時間で急ブレーキをかける必要があり、推進力の小さい姿勢制御用エンジンでは、当初の予定より金星から遠い位置で観測する軌道に投入せざるを得ないという。