河村たかし名古屋市長が主導した市議会解散請求(リコール)の署名簿がインターネット上に流出した問題で、愛知県警は流出経路の解明に向け、捜査に乗り出す方針を固めた。捜査関係者が明らかにした。
県警は8日、署名簿を管理していた市長の支援団体「ネットワーク河村市長」の関係者と協議し、捜査による全容解明を求める意向を確認。今後、適用罪名などを慎重に検討する。
この問題では、大量の署名簿がインターネットのファイル転送サイトで公開されていたほか、河村市長が代表を務める減税日本の市議のブログにも、署名簿をダウンロードできるサイトのアドレスが書き込まれていた。
支援団体関係者によると、県警に今後の対応などを相談した際、全容解明のため、被害届や告訴状を提出する意向を伝えたという。
一方、捜査関係者によると、流出した署名簿は政治活動に伴う個人情報のため、個人情報保護法の適用を除外される。また署名データ自体を「盗んだ」として窃盗罪に問うことはできず、捜査のハードルは高い。県警は今後、市議のブログに書き込んだ人物のIPアドレス(ネット上の住所)などを解析するとともに適用罪名を検討する。支援団体側からの被害届などを受け、捜査を本格化する方針だ。【岡大介、三木幸治】
毎日新聞 2011年9月9日 2時30分(最終更新 9月9日 13時18分)