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【サッカー】

なでしこJ、五輪出場決定 3大会連続4度目

2011年9月9日 紙面から

◇五輪アジア最終予選 日本1−1北朝鮮

 【済南(中国)上條憲也、原田公樹】なでしこ、再び世界へ−。サッカー女子のロンドン五輪アジア最終予選は8日、当地の山東スポーツセンターなどで行われ、日本(なでしこジャパン)は1−1で北朝鮮と引き分けたが、同日夜の試合で中国が0−1でオーストラリアに敗れたため、11日の同予選最終戦・中国戦を待たずに2位以上が確定。3大会連続4度目の五輪出場を決めた。日本は終始押し込まれながらも、主将のMF沢穂希(33)=INAC=を中心に耐えた。後半38分には数少ないチャンスを生かし、FW永里優季(24)=ポツダム=の右足シュートが相手のオウンゴールを誘って先制に成功。後半ロスタイムに失点し、自力での五輪切符獲得こそならなかったが、勝ち点1を死守し、同夜の“歓喜”につなげた。

      ◇

 徒労感たっぷりの痛恨ドローから約3時間半後に届いた“吉報”に、なでしこたちは一様に安堵(あんど)の表情を浮かべた。百戦錬磨の沢も「正直、ホッとした。今日勝って決められれば一番良かったけど、これも(コンディション的に)厳しい中で一戦一戦、勝ち点を積み上げてきた結果。目標だった五輪出場を成し遂げられて良かった」と達成感に浸った。

 北朝鮮戦は予想以上に苦しい戦いだった。アジア屈指の身体能力の高さを後ろ盾に前線からプレスをかけてきた相手に、序盤は防戦一方。何とか奪い返して、攻撃に移ろうとするが、パスミスもあってつながらない。

 「もっとポゼッション(ボール保持)できれば、自分たちのサッカーができたのに、ピッチが荒れていたこともあって、それができなかった」(沢)。いたずらに時間だけが経過していった。

 だが、女子ワールドカップ(W杯)で世界女王の座に就いたなでしこは、相手ペースの悪い時間帯でも我慢ができる。

 「北朝鮮のプレッシャーは最後まで落ちないと思っていました。その中で何ができるかを考えた」と熊谷。走力で劣っても気持ちの強さでは負けない。北朝鮮の猛攻を“水際”で食い止め、反攻機会を待った。

 迎えた後半38分、サッカーの神様がなでしこにほほ笑む。岩清水の右サイドからのロングパスに呼応して、永里優がゴール前に飛び出す。利き足ではない右足で放ったシュートは相手のオウンゴールを誘発、価値ある先制点を手に入れた。後半ロスタイムに守りのミスから失点し、勝ちきることこそかなわなかったが、勝ち点1は死守。同夜の歓喜につなげた。

 ただ、喜ぶのはこの一瞬だけ。目標はW杯に続く五輪での金メダル。沢も早くも気持ちを切り替え、前を向いた。

 「いつもたくさんの人が応援してくれて、私たちの背中を押してくれたことがパワーとなって今回も結果につながった。(五輪で)感謝の気持ちを示したい」

 佐々木則夫監督は北朝鮮戦を振り返り、「われわれには、まだまだやらなくてはいけないことがあるということが確認できた」と“試合の終わらせ方”に注文をつけた。裏を返せば、このチームにはさらに伸びしろがあるということ。本番まで残り10カ月余り、よりたくましさを増したなでしこが、再び世界女王の座をつかみ取る。(原田公樹)

 

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