尼崎南署の男性巡査部長(38)が前任の長田署での勤務時、申請を受け付けた猟銃所持許可証の手続きを放置した上、発覚を恐れて上司の決裁を受けず勝手に公印を押して書類を作成していたことが分かり、兵庫県警は9日、有印公文書偽造・同行使の疑いで、この巡査部長を書類送検した。
巡査部長は「事務処理が追いつかず、処理も忘れていた。上司に怒られるのが嫌で勝手に交付した」と供述。県警は同日付で、巡査部長を減給10分の1、6カ月の処分とし、巡査部長は同日依願退職した。
県警監察官室によると、巡査部長は長田署で勤務していた2009年9月、神戸市長田区の男性(63)から猟銃所持許可証の発行で必要となる「教習資格認定証」の交付申請を受けたのに処理をせず放置していた。送検容疑は約1年半後の今年2月、所属課長らの決裁を受けず、預かっていた県公安委員会の公印を押して認定証を作成、男性に交付した疑い。
巡査部長が異動後の今年6月、長田区の女性(30)から「猟銃所持許可を申請したのに連絡がない」と長田署に問い合わせがあり、県警が調査して発覚した。巡査部長はこの女性の申請手続きも放置しており、関係書類を長田署の別の許可申請書類を入れたファイルに隠し、県警の調査開始後、長田署を訪ねて持ち出していたという。
事件を受けて県警は9日付で、当時長田署の上司だった男性警部(51)と男性警部補(53)を本部長訓戒処分とした。
(2011/09/09 15:10)
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