国内最多の14基の原子力発電所を抱えている福井県では、東京電力福島第一原発の事故を受けて、関西電力など3つの電力事業者が、若狭湾付近で過去に大津波がなかったかを調べる大規模なボーリング調査を早ければ来月から始めることになりました。
福井県内には関西電力と日本原子力発電、それに日本原子力研究開発機構の合わせて14基の原発が若狭湾に集中していますが、この付近では、これまでに大津波が起きた可能性は低いとされてきました。しかし、福島第一原発の事故では、東京電力の想定を超える大津波が起きたことから、3つの事業者は、福井県内で過去に大津波がなかったかを調べる大規模なボーリング調査を行うことになりました。この地域を巡っては、地元に残る記録に「若狭湾を含む沿岸で大地震による津波があり、多くの人が死亡した」という記述も見つかっています。このため、調査は若狭湾の近くの湖の底など合わせて9か所で行われ、3つの事業者は、9日にも福井県や調査地点の美浜町などに必要な手続きを行うことになりました。ボーリング調査では、地層に残された大津波の痕跡を調べることにしていて、早ければ来月から始まり、評価を1年程度かけて行うということです。