空自屋お主も悪よのうであります。
GWというのに何処にも行けません(*≧m≦*)
犬の散歩とバイクの整備の毎日、あとは奥様の買い物の
お付き合い。休み明けは仕事がたっぷり待っているというのに
静かな日々です。
さて、ここを訪れる方の中で最大の関心事は空自F-Xで
ありましょう。これに関して、Mがあるいは市ヶ谷が、どういう
動きをしているのかさっぱり見えてきません。
F-4の整備は時間が経つにつれて困難になってきており、
またF-2の調達が終わって、新造機のラインもアイドルが
出てしまうというのにも関わらずです。
全ては米国がF-22を売ってくれないからなのですが、今は
取りあえずセカンドベストを見つけるしかありません。
現在候補に挙がっているF-22以外の以下の機体、
- F-35
- ユーロファイター・タイフーン
- F/A-18E/F
- F-2邀撃型
- F-15FX
まず1ですが、空自は当初より余り関心を払っていませんでした
最近、あたかもこれが最有力であるかのような報道がなされま
したが、その後なにも聞こえてきません。確かに空自の一部
特にPの人の間ではこれを押す声があるようです。先日の
報道もそれらの中の人から打たれたPINGなのでしょう。
ただ、実機を何時になったら手に入れられるかの目途さえ
つきませんし、下手をすると計画そのものもキャンセルされる
可能性もあるなかで、迂闊に手を出せませんし、FIに単発機は
向かないばかりか、全てにおいて中途半端です。
次に2ですが、魅力的な機体ではあるのですが、欧州製という
だけでXです。空自は、中東戦争等で欧州製部品が入らず、
運用に苦労したトラウマがあります。
さらに、戦闘機などという極めて中途半端な代物(絶えずの更新
を必要とする)は同盟国として常日頃一緒に動いている米国製の
もの、もしくは国産開発のものを使わざるを得ません。
次に3ですが、艦載機の陸上運用は何かと不都合。また、空自
のカウンターパートはUSAFであり、USNではありません。欧州ほど
ではありませんが、何かと不便ではあります。最近は共通化が
進んできましたが、かつては空と海では同じAIM-9でも融通でき
ませんでした、何しろ空ではシーカーの冷却ガスはミサイル側に
あるのに対して、海ではランチャー側にありました。
また、中低空域における機動性には素晴らしいものがあり、
兵器搭載能力も高いのですが、加速が弱く、
足が短いのもFIとして物足りません。
4は一番垣根が低く、工業会もこちらを押しています。ただ、
あえて書きませんが、この機体は本質的にFIに向きませんし、
小型な機体であるため、発展性余裕が少ないというマイナス面が
あります。また、米国生産分の移転が可能なのかというネックも
あります。
5に関しては、自分はあり得ないと思っていました。原型機は
1970年代のものですし、空自は時計の針を戻すようなマネは
すまいと思ったからです。
こーなると、全てネガティブな話でもう2SQ分純減かとも思えるの
ですが、最近ちょっと考えを新たにしました。
つまり、今回の選定をFIに限定しなければ良いのです。
機体を買う大義名分は立派にあるのですから、表向きFIを
買うとして、実質FI以外の能力を補完すればよい。
いま現在、空自が一番欲しい能力、それはBAI能力でありましょう。
(SEAD能力を含む)
BAIとは戦場航空阻止(BAI;Battlefield Air Interdiction)の略で、
前線を飛び越えて、敵の後方を叩く任務です。
代表的な機体としてF-111、トーネード、F-15E等があります。
そうF-15EはF-15FXの原型機です。F-15FXがF-15Eの発展型
でその能力をそのまま引き継ぐのであれば、F-15FXの取得は
すなわち空自のBAI能力の獲得を意味します。
F-4後継機を選ぶという大義名分を持ってFIとしてF-15FXを
選択すれば(F-22、F-35の状況からして無難な選択でもあります)
自然とBAI能力を獲得できてしまうという一粒で二度美味しいとい
ことになり、F-4は元々複座ですから、複座のF-15FX移行も余り
問題とはなりません。
どうです、以上の話を幕の装備体系課辺りが目論んでいるとしたら
「空自屋、お主も悪よのう。」ってことになりませんか
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コメント
アビオニクスにAPG-63(V)3が付いてくるのであればF-15FXも悪い選択ではないと思うのですが、3系統の戦闘機中2系統がF-15系と言うのは不具合発生時の飛行停止措置を考えた場合どうなんでしょうか?
敢えてF-15系とは別系統のEFタイフーンと言う選択もありと思います。
少数導入としても国産F-3への布石としてラ国すればFMSよりも部品調達の融通は確保出来るような気がしますし、NATO諸国の採用ですから米軍との運用についても考慮されているのではと思うのですが。
投稿: 雨辰 | 2010年5月 3日 (月) 23時06分
F-15SEはどうでしょう?幾つかの国が興味を示しているようです。
イスラエル空軍はF-35の開発スケジュールが大幅に延滞していること、開発コストが高騰していること、ソフトウェアをいじれないこと(即ち国産AAMの搭載が不可)などから、F-15IかF-15SEを導入する動きがあるそうです。
また米国議会の一部でもF-35の延滞とコスト高騰を問題視し、F-15SEやF-16 Block 60を繋ぎで導入するべきとの声があるそうです。
その一方でUSAFは4.5世代機を導入するつもりはなく、何としてもF-35の導入を待つ方針です。あくまで新規調達は第五世代機のみというのがUSAFの方針のようです。
このイスラエルと米空の方針の違いは興味深いですね。日本も参考に出来そうです。もし仮にFXがF-4後継に留まるとすれば、国内ライセンス生産を考慮した場合はロット数の問題があります。
空自としては中国の軍拡を受けて大綱改定で戦闘機の定数削減を取りやめることはしないのでしょうか?また非MSIP機を偵察機や電子戦機に改造する話がありますが、むしろ複座機であり低RCSでもあるF-15SEの方が適任であるとも思うのですが、それはどうでしょうか。
投稿: アシナガバチ | 2010年5月 4日 (火) 07時27分
U-125のごたごたがまた再び…ということには今更さすがにならない気がしていたのですが、欧州機はやっぱり面倒なんですかね;;
投稿: 1尉 | 2010年5月 4日 (火) 17時50分
>>雨辰氏へ
私の名前の通りのお話なんですが、欧州製といえば過去の例からも導入は抵抗するでしょう。
欧州製エンジンを搭載していたT-2やF-1の例からすると、アドア搭載機設計に必要なエンジンの情報を提供せずT-2、F-1のスロットルの応答性、インテーク設計などエンジン周りに問題を抱えました。また、日本側で対応できない整備に対する対処を放り出しかけたりと欧州の態度は目に余るものを経験したと聞いています。
要するに、ブラックボックスがないといっても、「必要なもの」が手に入るとも限らないと言うことです。エンジンだけでも非常に苦労したのに、今日の統合制御された戦闘機とそれを維持するシステムのすべてとなればもはや・・・。
稼動率に不安を抱える機体買うとしたら、登場当初のB-29のように他と隔絶した優れた性能があるか、何らかの圧力がかからない限りやらないと思いますよ。
投稿: 無責任な噂話の人 | 2010年5月10日 (月) 12時59分
無責任な噂話の人様、欧州製エンジンでのトラブルの件ご教授ありがとうございます。羹に懲りて何とやらと言う訳ですね。ただ、このブログを貴重な情報源としている業界に疎い素人の立場で言わせてもらいますと、その件についてはライセンス時の契約不備と言われても仕方ないのではないでしょうか?
もし契約内容にエンジン特性についての全情報を提供する項目が含まれていたのであれば、契約を盾に履行を迫れたと考えるのが普通だと思いますが、そう出来なかったのは、こんなことは当然含まれるとした判断の甘さがあったのではないでしょうか。
もしかしたら当時の我が国の実力から足元を見られ、泣く泣く契約せざるを得ない事情があったのかも知れません。
まあM社にしたところで、T-2/F-1の経験から欧州メーカーとは組めたものではないと判断しているのであれば、ライセンス生産の話にも乗る訳もないので、そもそもタイフーンの芽など全くなかったのかも知れませんが・・・。
管理人様、長文失礼致しました。
投稿: 雨辰 | 2010年5月10日 (月) 15時53分
KC-767Jとの適合性を考えると、フライングブーム方式の、F-15FXかF-35Aしか候補がない様な気もするのですが、C-130Hを空中給油機仕様にした機体も、配備され始めた事ですし、KC-767Jにプローブ&ドローグのアタッチメントを追加発注するか、給油ポッドを追加発注し改造するかの余計な出費がかかりますが、それまでC-130Hで対応すれば、いい訳で・・・。F/A-18E/Fやタイフーンでもその点では問題は少ないかと思いますが、米空軍との関係や供給体制ですよね。F/A-18E/Fの場合、厚木基地の日飛で、色々あるにせよ整備の実績があり、日本にとって全く未知の戦闘機ではないですけど、足がねぇ・・・。
タイフーンもグリペンを導入したタイの運用実績を見てからという、暢気な事は、言ってられる時間無いですからね。帯に短し襷に長しの機体だけですからね。
投稿: 灰色猫 | 2010年5月10日 (月) 16時51分
F-2がFIに向かないというのは、単発だからでしょうか?
加速力ではF-15を上回り、低空域ではF-15相手にも負けず(らしい)、AESAとFLIRを装備し、AAM-4を運用でき、航続距離ではF-4を上回る。
何が向かないのか分かりません。
生産分担はともかく、発展余地もコンピューターの進歩は凄まじいですし。
現状望みえる中では、最良の選択肢かと思うのですけど……。
投稿: 紙の毛 | 2010年5月12日 (水) 09時57分
欧州製品は有事における部品調達やサポートにそんなに難があるのでしょうか?
部品の十分なストックやライセンス生産でカバー出来そうな気もしますが、そんな単純な話でもないのでしょうか・・・
投稿: 名無しの1 | 2010年5月12日 (水) 20時53分
>>雨辰氏へ
私が聞いた限りではアドアエンジンは欧州の開発予算の事情から、必要最低限の試験しかしていなかったため、日本側がほしかった情報の多くがそもそも存在しなかったとのことです。そのため予算と時間の許す範囲で日本側でデータ収集を行い、試行錯誤をしたそうです。
もっとも、立場的には日本側に確認する手段がないため、データがなかったことにしているのかもしれない、と言われればそれまでではありますが、これは現代でも同じで、同様のことが起きれば対処は無理でしょう。
それにしても、空自が従来の支援戦闘機が担ってきた海上でのBAI以上を求めるとなると、湾岸設備、物資集積所、ないしは海上移動する前の部隊やその部隊が利用する基地やインフラetc、とむしろINT的な性格を持ちそうなもので、相手にもよりますがF-111以外は任務達成が困難そうです。いずれにせよFI更新だけでは済まなそうですね。
投稿: 無責任な噂話の人 | 2010年5月12日 (水) 21時05分
F-22が手に入らないのは明白です。
いまだに機種を決めかねている理由には
ならないのではないでしょうか。
F-22がポシャった時点でF-15FXを選んでおけば
よかっただけの話ですので。
F-22の輸出型とかに目を奪われているのが現状じゃないですかね。政治も絡んでますし。
投稿: ナオ | 2010年5月12日 (水) 22時19分
無責任な噂話の人様、再度のご教授ありがとうございました。当時の酌むべき理由があったと言うことで理解しておきます。量産は別としても自国での要素技術の開発は大切ですね。
F-4EJの後継については現存機種はどれも一長一短があるので、他の機種と併用してカバーするしかないのではないでしょうか。
特にFSについては今後P-1による戦力強化が大きいと思います。
投稿: 雨辰 | 2010年5月13日 (木) 00時18分
F-15C系列の機体とF-15E系列の機体は別物と考えて良いんじゃないでしょうか?
そもそも機体構造から作り直しており使用するエンジンも別なら
F-15Jにトラブルが発生してもF-15FXが飛行停止になるなんてありえません
F-16に不具合が出たからと言ってF-2が飛行停止にならないでしょう?
投稿: 名無し2 | 2010年5月16日 (日) 09時33分
この前の米国の事故でKをのぞくF-15全部停止したときあったし
投稿: | 2010年5月22日 (土) 14時05分