B君とC君も席が隣同士でしたが、以前に喧嘩をしてからは机を離し、B君はA君と机をくっつけるようになりました。
ときどき、B君のお弁当の匂いがきつかったり、消しカスが飛んできたりもしましたが、気の弱いA君は何も言えませんでした。
ある日、A君が休み時間にトイレに行って帰ってくると、B君がA君の机の一部を占領していました。
A君はそれを指摘しましたが、B君は取り合いませんでした。
「まあまあ、これぐらい良いじゃないか。僕と君の仲だろう?」
A君は何も言えませんでした。
A君は成績がとても優秀でした。テストではいつも100点。親にも褒められました。
ところが、B君がA君の机の一部を占領するようになってからは、だんだんと成績が落ちていきました。
そのかわり、B君は今までよりずっと良い点数を取るようになりました。
そう思ったA君は、B君に抗議しましたが、B君はまたも取り合いませんでした。
「何言ってるんだい、ここは元々僕の机だろう?」
今度はさすがに頭に来たのか、A君は反論しました。
「そんなことはない。ここはどう見ても僕の机だ」
ところが、B君が主張を曲げることはありませんでした。
A君の話を聞いた先生は、「それはいけないことだ」とB君を叱りました。
これでようやく元通りになる。A君は安心して、その日の夜はぐっすり眠れました。
翌日、B君は何食わぬ顔でA君の机の一部を占領していました。
もう何を言っても無駄だ。そう思ったA君は、とうとうB君に何も言えず、学校卒業まで過ごしましたとさ。
おわり。
※この話はフィクションです