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【田原総一朗の「ニュースの裏側」】輿石氏の幹事長起用は″ドジョウ″らしくない周到な人事

BLOGOS編集部
【田原総一朗の「ニュースの裏側」】輿石氏の幹事長起用は″ドジョウ″らしくない周到な人事

輿石氏の起用にみる野田総理の周到さ



―党内の役員人事についての印象はいかがでしょうか

一番大きいのは幹事長に輿石さんを起用したこと。輿石さんは小沢グループの中心で参議院の会長だ。この起用については賛否両論がある。僕は鹿野さんか輿石さんのどちらかとだと予想していた。世論は鹿野さんの方が受けが良かっただろう、中間派だから。

輿石さんの起用ついては、小沢さんが強く要求したんだと思うよ。輿石さんを起用したことで、周囲は失望したかもしれない。ただ、僕は「ドジョウ」らしくない周到な計算に基づいた人事だと思う。

まず小沢さんは自分の傀儡として海江田さんを立てた。その海江田さんが主張したことは4つあった。1つはマニフェストの復活。菅政権時代にマニフェストは、3党合意をやるために大幅に変更されている。これがけしからん、元に戻せという主張だ。2つめは、小沢さんの党員資格停止処分の即時解除。3つめは「復興財源として増税をするな」という反増税論。最後は菅政権が先送りしたTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)への参加に反対するというものだ。

順番に見ていくと、まず最初のマニュフェストの問題。輿石さんは菅政権での役員でもあったけど、このときに3党合意に賛成している。だから、いまさらマニュフェストを復活させるとは言えない。現に言わないしね、3党合意に賛成しているんだから。

2つめの小沢さんの処分については、輿石さんが幹事長に就任する際に、野田さんは、この件に触れるなという条件を出したのではないかな。輿石さんも最初は保留したものの、後に同意した。現に、その後記者会見では「党の決めたことは重視する」ということで、処分解除については事実上撤回している。これで最初の2つについては解消した。

問題は増税とTPPだが、これについては、政調会長に前原さん、政調会長代行に仙谷さんを起用していることが注目される。僕は政策については、この前原―仙谷ライン中心でやるんではないかと見ているんだ。つまり小沢グループには、とやかく言わせないという姿勢なのではないかと思う。

野田さんには、もう一つ懸念があったと思う。それはお金の問題。

民主党に入ってくる政党助成金などのお金は全部幹事長が握っている。小沢さんが代表の時、僕が鳩山幹事長に「お金を握っているんですか」と聞いたら「一銭も握っていない、全部代表が管理している」と言っていた。

小沢さんは代表のときも幹事長のときも党のお金をすべて握っていたんだろう。だから、派閥としての勢力も増した。つまり、野田さんは輿石さんが握ったお金が小沢さんに直結するんじゃないかということに懸念を抱いたんだ。

そこで、その監視役として樽床さんを起用した。また、岡田さんが幹事長のときに民主党のお金をガラス張りにしている。この方向性も維持するためにも、樽床さんを起用したと僕は見ている。

―国対委員長の平野さんについてはどうですか

ここには鳩山系の平野さんを起用することで「ノーサイド」をアピールしたのではないかと思う。

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