8日、ロシア空軍の爆撃機2機が北海道から沖縄にかけての日本列島付近の上空を一周し、航空自衛隊の戦闘機が緊急発進して追尾を行いました。防衛省によりますと、領空への侵入はありませんでしたが、ロシアの軍用機がこうしたコースを飛行するのは異例だということです。
防衛省によりますと、8日午前6時ごろ、ロシア空軍のTU95爆撃機2機が対馬海峡付近の日本の領空に接近したため、航空自衛隊の戦闘機が緊急発進し追尾を始めました。爆撃機は、その後、東シナ海上空を南下し、沖縄本島の南を回って太平洋側に抜け、日本列島に沿うように北上しました。爆撃機は、さらに空中給油機による給油を受けながら宗谷海峡上空を回り、今度は日本海側を南下して、およそ14時間後の午後8時ごろ、日本から離れていったということです。防衛省によりますと、領空への侵入はありませんでしたが、ロシアの軍用機が日本列島付近の上空を一周するのは異例だということです。ロシア空軍を巡っては、先月以降、5回にわたって爆撃機や情報収集機が日本の領空に接近しており、日本周辺での活動が活発化する傾向にあります。ロシア国防省の報道官は、8日、ロシアの通信社に対し、爆撃機が日本列島の周辺海域を19時間にわたって飛行したことを認めるとともに、自衛隊機と韓国空軍機合わせて10機の追尾を受けたことを明らかにしました。そのうえで、「今回は洋上の訓練飛行だった。ロシア空軍は定期的に公海上をパトロール飛行しており、国際法の違反や領空侵犯はしていない」と主張しました。ロシア空軍は、4年前、ソビエト崩壊後に停止していた長距離爆撃機による24時間体制のパトロール飛行を再開したと発表し、その後、爆撃機が日本周辺を飛行することがありましたが、今回のように日本列島を一周する長時間の飛行は異例のことです。ただ、ロシア国防省は、今回なぜ、このようなルートを取ったのかや、その理由については詳しく言及しませんでした。