線量計が鳴る中、紙おむつを穿いて 福島第一原発の岸壁に船を曳航した
(SAPIO 2011年8月17日・24日号掲載) 2011年8月25日(木)配信
しかも強い放射線にさらされる中での作業である。佐々木義孝一曹が言う。
「全員に線量計が渡されましたが、ミッションで原発に近付く時は、これとは別にデジタルの線量計を身に着けました。原発に近付くにつれて警報が鳴り出し、岸壁に着岸して真水を移し、離れるまでの約20分間は、線量計のレベルが高いので、警報がピーピーと鳴り続けていました。あの時はさすがに緊張しました」
防護服を装着するのも初めての経験だった。
「7〜8時間、防護服を脱げないので、トイレに行きたくならないよう、水を控えるのはもちろん、全員が紙おむつを穿いて作業しました」(川村武1曹)
過酷な任務を終えた感想を聞くと、森本健一2曹は「インド洋の長期補給活動に従事した経験もあり、こうした出動は自衛官の宿命です」とキッパリ。24歳の若い屋部伸晃3曹は「自分が自衛官だという強い職業意識を持つようになった」と胸を張った。
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