東京都立川市の警備会社「日月警備保障」立川営業所から約6億円が奪われた事件で、警視庁立川署捜査本部は8日、住所・職業不詳の元指定暴力団山口組系組員、小沢秀人容疑者(42)を強盗傷害と建造物侵入容疑で逮捕した。捜査本部は容疑者グループのリーダーとして事件を計画したとみて、見つかっていない約3億7000万円の行方などを追及する。事件の逮捕者は計11人になった。
逮捕容疑は5月12日午前3時ごろ、実行役とされる渡辺豊被告(41)=強盗傷害罪などで起訴=らと共謀して営業所に侵入し、1人でいた男性警備員に刃物などで重傷を負わせ現金約6億円を奪ったとしている。「関与したことは間違いありません」と容疑を認めているという。
捜査本部によると、これまでの逮捕者らの携帯電話の通話記録や関係者の供述から小沢容疑者の関与が浮上したという。自分名義ではない10台以上の携帯電話を使っていたとみられている。捜査本部が行方を追っていたところ、8日になって小金井市内の会社事務所で発見し、逮捕した。事務所には金庫があり、奪われた現金がないか確認する。
捜査本部は、小沢容疑者らが日月社の警備状況などを知ったうえで事件を計画したとみて経緯を調べている。関係先からはこれまで、奪われた現金の一部とみられる約2億3000万円が見つかっている。【山本太一、内橋寿明】
毎日新聞 2011年9月9日 0時00分