野田内閣に対する期待は急激に落ち込む。
あっという間に元の木阿弥になる。
自民党の中からジタバタ、ドタバタしている様子が漏れてきたが、大道を踏み外すことがないようここはじっと我慢するときである。
野田内閣発足1週間目になるが、雑多な人間の寄せ集めという意味での党内融和内閣になってしまったことの欠陥が早速浮かび上がってきた。
まずは消費者問題担当の山岡賢次氏である。
山岡氏は、マルチ商法を擁護推進する業界団体の守護神みたいな役割を担ってきており、国会での質問も現実の政治行動も専ら業界団体の意向に沿ったものだと言われてきた。
その山岡氏に対する政治献金の胡散臭さに注目してきた人は政界にも消費者団体にもマスコミ関係者にも多いが、マスコミ等からの様々な取材に対して山岡氏は弁護士を通じて答えることにしたようだ。
依頼されれば弁護士は本人の言い分を最大限化粧して、問題がないと答える。
弁護士の立場としては誰からの依頼であっても、依頼がある以上は誠実に職務を履行しなければならない。
自分の依頼人の立場を弁護士が突き崩すようなことをするはずがない。
そんなことをすれば、追われる者にとって最後の砦、最大の庇護者と期待される弁護士の存在が危うくなってしまう。
援けを求められている弁護士は、これは危ない、これはいけない、と思ったら受任を断る、弁護人や代理人を辞任する自由があるだけで、自分の依頼者に対して不利になるようなことはしないものだ。
だから、自分の弁護士が問題がないと言っているから問題がないと思っています、などとという答弁
は実は成り立たない。
そこまでの権威のある弁護士は、まずいない。
国会議員は公益の代表者であり、特に大臣は国家を代表する存在である。
大臣たる者が自分にかけられている様々な疑惑や法律上の問題について弁護士を使って弁護士から回答させる、というのは実はおかしなことでる。
大臣は自ら答えるべき責任がある。
国会答弁でも記者会見でも弁護士に肩代わりさせることは出来ない。
それを山岡氏は、弁護士を立てて答えることにしたのだ。
島田紳助氏は暴力団との黒い交際を巡ってマスコミから未だに追われているようだ。
島田紳助氏が弁護士を窓口にしてマスコミの追及をかわすことは、当然認められる。
何故そうしないのか些か不思議だが、島田紳助氏なら弁護士を使って逃げても良い。
しかし、大臣はいけない。
そういう基本的なことを弁えていない大臣を野田内閣は抱えているのだから、あっという間に国民の期待値は下がってくる。
一週間前は国民を唸らせるような弁舌を披露したが、最近はすっかり口が重くなったようだ。
得意の弁舌が揮えなくなれば、あの高い支持率は何だったんだろうか、と思うような状況になる。
これが、私の見立てである。
1 ■国務大臣は自ら答弁すべき
議会で、当然追求されてる訳ですから、自民党始め各野党からこの疑惑の一件の質問を受けてたら変わりに担当弁護士が議会で答弁させる気かしら?