「一緒にいてあげられなかった…」犠牲の全盲女性葬儀、悔恨の姉 和歌山・那智勝浦
「1人にしてすまんかったね」。台風12号による豪雨で和歌山県那智勝浦町井関の自宅家屋が流され、全盲の障害者、楠本益美さん(66)が亡くなった。那智勝浦町内の別の地区に住む益美さんの姉、戸石恭子さん(70)は、紀伊半島を豪雨が襲った3日、町を離れており、最愛の妹と、そのまま死に別れた。8日の葬儀で母の形見だった着物を遺体に着せて送り出したという恭子さんは「どうしてあの日、一緒にいてあげられなかったんやろね」と深い悔恨をにじませた。
父親の仕事で、幼いころは中国・満州で過ごしたという恭子さん。4歳離れた益美さんも満州で出生し、その後、家族で那智勝浦町へ移り住んだ。
生後まもなく病気で失明し、生涯のほとんどを全盲で過ごした益美さんだが、恭子さんは「障害を感じさせないほど常に前向きだったし、鍼(はり)の仕事にも携わり、自立して過ごしていた」と話す。最近では、地元の小学生に点字を教えるなどしていたという。
8月30日、恭子さんは、孫が体調を崩したため、奈良県香芝市に住む次男のもとへ向かった。益美さんは「気をつけて行ってきてね」と送り出したという。
台風接近が報じられる中、香芝市にいても、気がかりなのは妹のことだった。毎日電話をかけたが、益美さんは「大丈夫よ」「台風は近づいているけど、雨はそんなに降っていないよ」と元気そうな様子だったという。
ところが3日夜、猛烈な豪雨が井関地区を襲った。那智川の氾濫で、堤防は決壊。益美さん宅は濁流にのまれ、本人もそのまま行方不明になった。
「知らせを聞き、井関へ向かった。でも、道路はあちこち水につかっており、なかなか妹のもとにたどり着けなかった。『益美、益美』と呼びかけたが、返事はなかった」
恭子さんは、何とか益美さんの家があるはずの場所にたどり着いたが、押し流され、跡形もなくなっていた。益美さんを探し続け、遺体安置所で変わり果てた姿の益美さんと再会したのは、6日だった。
「かわいそうでたまらず、泣き崩れた。でも、まだ捜し続けている人たちが大勢いる。早いうちに会うことができたのは、幸せだったのかもしれない」。恭子さんは、自らに言い聞かせるように話す。
「これまでだったら、台風のときは家へ呼び、一緒に通り過ぎるのを待ったのに…。冷たい川の中、寂しかったやろね」。恭子さんはそうつぶやき、涙をぬぐった。
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