枝野元官房長官が、読売新聞に対して、東京電力の清水社長(当時)が福島原発事故後4日の3月15日に早くも現場作業員の撤退を申し出ていたことを明かしました。
吉田福島発電所所長が「まだ頑張れる」と主張し、菅首相(当時)が清水社長を説得して事なきを得たのですが、もし、その段階で福島原発から作業員の方々がいなくなっていたら、東北どころか、日本列島がどうなっていたかわかりません。
スペインのアストゥリアス皇太子財団は7日、今年のアストゥリアス皇太子賞(Prince of Asturias Awards)の平和部門賞を、東日本大震災による福島第1原発事故で初期対応にあたった「フクシマの英雄たち」に授賞すると発表しました。
授賞対象となった人たちは3グループに分かれ、
(1)現場対応にあたった東京電力従業員や関連の作業員の方々
(2)原子炉の冷却作業で放水にあたった消防隊員の方々
(3)原子炉上空からのヘリコプターによる海水散布や、高濃度の放射能汚染で立入禁止区域に指定された地域からの住民避難に従事した陸上自衛隊の隊員の方々です。
授賞理由として、同財団は「彼らは自らを犠牲として、津波による核災害がその壊滅的影響を何倍にも拡大させることを阻止した。自らの身にも深刻な影響がもたらされる恐れも顧みず、彼らは決断を下し、人としての最も崇高な価値を示した」と説明しています。
また、野田総理大臣も、9月8日、就任後初めて東京電力福島第一原子力発電所を訪れ、損傷した原子炉の現状などについて説明を受けたほか、事故の対応に当たる作業員や自衛隊員の方々を激励しました。
野田首相は原発敷地内の緊急時対策室で東電の作業員の方々らを前に挨拶し、厳しい環境下での事故対応をねぎらうとともに、「事故収束は世界が望んでいる。克服できるかは皆さんがカギだ。私も力を合わせて懸命に努力する」と激励しました。
良いことだと思います。でも、それだけでは足りない。
浄化しようとしている放射能汚染水を浴びるなど、計画線量を超える放射線を受けてしまった福島の作業員の方々が続々と出ています。
事故直後から現在に至るまで活躍され、今後もこの島国に住むすべての人々の命と健康を守ってくださる原発作業員の方々は、なでしこジャパンとは違った意味で、国民栄誉賞に当たると思います。
そう、原発作業員の方々の犠牲=被曝があって初めて原発の復旧があり、我々の命があると言うことなんです。
ちなみに、原発で働く作業員の方々の許容放射線量を、厚労省がいきなり上限撤廃してしまったのをご存じですか。
経産省の要請で厚労省が3月15日に「福島の事故の応急対策に限定して緊急時の被ばく線量を100ミリシーベルトから250ミリシーベルトに引き上げ」、次いで4月27日に「常時は年間50ミリシーベルトと定めている原発作業員の被ばく線量の上限を当面の間、撤廃」しました。
厚生省という国民の健康を司る省庁と、労働省という労働者の権利を守るべき省庁が統合されてできた厚生労働省が、ちっとも放射線被曝からの歯止めにならないのです。
安全基準を緊急時だからあげるのは、緊急時だからといって急に人間が放射線に強くなるわけではないからナンセンスだと、私は再三再四書いてきました。
もともと一般人について年間1ミリシーベルトされていたのを、急に放射線感受性の強い子どもにも20ミリシーベルトまで耐えろとは言語道断でしょう?
それと同じ事です。
まして原発労働者の方々にはさらにそのの12倍以上の放射線に耐えろと・・・
再度、もとの100ミリシーベルトに基準の引き下げが検討されていますが、便宜的というかご都合主義というか。
では、だからといって、原発労働者の被曝限度を維持して、福島原発で働ける労働者の方々が居なくなってしまったら、どうなるのか。
そもそも、なぜそういうことを経産省が要請したかというと、「原発作業に従事できるのは全国で7万人余りしかいない。各地から福島第1原発への派遣が相次ぐ中、規定の被ばく線量を超えると、ほかの原発の保守や定期点検に支障が出かねない」として、経済産業省が厚労省に特例的な措置を要請したわけです。
もし、毎日毎日の原発の復旧作業がなければ、すぐにでも原発は暴走してしまいます。全国で働ける原発労働者が7万人。毎日2〜300人の労働者が福島原発に入っていますが、そのうちこれらの方々のどんどん累積被ばく線量が上がっていき、働ける人がどんどん少なくなったら、一体、日本と我々はどうなってしまうのか。
そして、労働者不足を補うため、日雇い労働者が多くいる大阪市西成区のあいりん地区で、仕事に応募した人が当初の話と違ってあれよあれよという間に福島に連れて行かれ、放射線防護服を着せられて原発で作業をさせられてしまったという事件が起こっています。
この人達なんて、ちゃんと累積放射線量をそもそも計ってもらっていないに決まっています。
そして、行方不明の原発作業員が急増しています。
これってほとんど奴隷を集めるための人間狩りじゃないですか!?
我々の命と健康を守るための代償は、弱い立場の人たちが払っているのです。
子ども達のことならしゃかりきに守ろうとするのに、原発労働者のことは見て見ぬふりでは、本当の子育ては出来ません。
私たちは、今確実に、原発労働者の方々の命を食べて生かしていただいている、ということはできないでしょうか。
国民栄誉賞を受け取ってもらえば済む問題ではないですね。
福島原発の作業員の方々は国民栄誉賞にふさわしいと思われる方は
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「フクシマの英雄たち」にスペインのアストゥリアス皇太子賞
- 2011年09月08日 13:41 発信地:マドリード/スペイン
【9月8日 AFP】スペインのアストゥリアス皇太子財団は7日、今年のアストゥリアス皇太子賞(Prince of Asturias Awards)の平和部門賞を、東日本大震災による福島第1原発事故で初期対応にあたった「フクシマの英雄たち」に授賞すると発表した。
授賞対象となった人たちは3グループに分かれ、現場対応にあたった東京電力(TEPCO)従業員や関連の作業員、原子炉の冷却作業で放水にあたった消防隊員と、原子炉上空からのヘリコプターによる海水散布や、高濃度の放射能汚染で立入禁止区域に指定された地域からの住民避難に従事した陸上自衛隊の隊員。
授賞理由として、同財団は「彼らは自らを犠牲として、津波による核災害がその壊滅的影響を何倍にも拡大させることを阻止した。自らの身にも深刻な影響がもたらされる恐れも顧みず、彼らは決断を下し、人としての最も崇高な価値を示した」と説明している。
1980年に創設された同賞は、スペイン北部アストゥリアス(Asturias)州の州都オビエド(Oviedo)で年内に行われる授賞式で、アストゥリアス公フェリペ皇太子(Crown Prince Felipe)から贈られる。(c)AFP
前首相の東電乗り込み、危急存亡の理由が
枝野幸男前官房長官は7日、読売新聞のインタビューで、東京電力福島第一原子力発電所事故後の3月15日未明、東電の清水正孝社長(当時)と電話で話した際、作業員を同原発から全面撤退させたい、との意向を伝えられたと語った。
東電関係者は、これまで全面撤退の申し出を否定している。菅前首相や海江田万里前経済産業相は「東電が作業員の撤退を申し出てきた」と説明してきたが、枝野氏は今回、撤退問題に関する具体的な経過を初めて公にした。
枝野氏は、清水氏の発言について「全面撤退のことだと(政府側の)全員が共有している。そういう言い方だった」と指摘した。
枝野氏によると、清水氏はまず、海江田氏に撤退を申し出たが拒否され、枝野氏に電話したという。枝野氏らが同原発の吉田昌郎所長や経済産業省原子力安全・保安院など関係機関に見解を求めたところ、吉田氏は「まだ頑張れる」と述べるなど、いずれも撤退は不要との見方を示した。
菅氏はこの後、清水氏を首相官邸に呼んで問いただしたが、清水氏は今後の対応について明言しなかったという。このため、菅氏は直後に東電本店に乗り込み「撤退などあり得ない」と幹部らに迫った。
枝野氏は菅氏の対応について「菅内閣への評価はいろいろあり得るが、あの瞬間はあの人が首相で良かった」と評価した。