福岡県飯塚市で7日、建設会社の事務所で発砲があり、別の建設会社が火炎瓶で放火された事件で、指定暴力団太州会(本部・福岡県田川市)と両建設会社との間で、市発注工事のみかじめ料をめぐるトラブルがあったことが、捜査関係者への取材でわかった。筑豊地区では2月にも建設会社などが狙われる発砲事件が2件あり、県警は太州会が要求に従わない業者への締め付けを強めているとみている。
発砲された会社は、放火された会社の関連会社と8月に共同企業体を組み、飯塚市が発注する市立小中学校の体育館建設工事を約4億円で落札した。
捜査関係者によると、太州会は公共工事を受注した業者に対し、受注額の数%をみかじめ料として要求してきたという。だが、この2社に対しては、ふだんよりも額を上乗せして要求。支払いを拒んだ会社側とトラブルになったとみている。放火された会社は2008年にも、社長宅が銃撃される事件があった。
同県は昨年、暴力団への利益供与などを禁止する県暴力団排除条例を全国に先駆けて施行。みかじめ料の支払いには罰則を適用して、暴力団の資金源対策を進めてきた。県内では今年、この日の2件を含めて14件の発砲事件があり、全国最多にのぼる。このうち約半数は建設会社やその関係先が狙われた。県警は、みかじめ料などの収益が減った暴力団が建設業者を威嚇する狙いがあるとみている。