<トップページへ>

<催し物のページへ>


<学校の聖母シリーズのページへ>




学校の聖母シリーズ
敗北!

企画:ファイターGT

作:逃げ馬







某月某日

居酒屋の店内の一角に三人の男が座っている。
「おお・・・来た来た!」
「遅いですよ!」
僕が店に入ると、皆が声をかけた。
ここに集まったのは、僕がインターネットでいろいろと書いているときに、応援をしてくれているメンバーたちだ。
資料集めや、ネタ集め・・・いろいろなことを手伝ってくれている。
そして、この席で話題になったことは、ネタに使われても文句は言わない・・・そういう“掟”もあったが、僕は“近年”全く書けない状態が続いている。
「ごめんごめん、ちょっと取り込んでいて・・・・」
僕が席に座ると、店員が注文をとりに来た。アルコール類を注文すると、あらかじめ注文をしておいた料理がテーブルの上に並べられていく。
「それじゃあ!」
中年の男の音頭で、4人がビールのジョッキを合わせて、のどを潤していく。
「最近は、どうなんですか?」
20代前半くらいの青年が、僕に尋ねてきた。
「なかなかねえ・・・キーボードが進まないんだよ」
僕は苦笑いしながら答えた。
「まあねえ・・・書くのは気がのらないと書けないだろうし・・・焦る事ないよ」
乾杯の音頭をとってくれた、中年の男性が言ってくれた一言に、ちょっとホッとしたが、
「いやいや、どんどん書いてもらわないと・・・」
20代、半ばを過ぎた感じの男性が笑っている。
「お休みが長すぎますよ」
「ファイターさん、そうは言ってもねえ(^^;」
僕が苦笑していると、
「そうですねえ・・・」
ファイターGTさんは、ビールのジョッキを一気に飲み干すと、
「聖母様に女の子にしてもらったら、女の子の状況がわかるわけですから、どんどん書けるかもしれませんよ?」
ファイターGTさんは、ニヤリと笑うと、
「TSの神様が降りてきますように!」
祈り始めてしまった。
固まってしまった僕を見て、皆が爆笑する。
「まあ、そのうち書きますから・・・」
ソーセージを頬張り、ビールを飲むと、僕はそう言って笑った。

そのころ・・・。
礼拝堂の聖母像の前に、光の粒が集まっていく。
やがて、淡い光の中に紺色のスカートスーツを着た女性が現れた。
女性は聖母像を見上げながら、
「全く・・・・いつになれば、ストーリーを進めるつもりなのかしら・・・?」
肩を竦めながら呟く。
やがて女性は、光の中に姿を消した。


翌日

僕は目覚まし時計のベルの音に眠りを破られた。
時間は朝6時。テレビをつけると、男性と女性のアナウンサー二人が並んで、
『・・・朝6時になりました。今朝入っている主なニュースです・・・』
テレビのニュースを見ながら服を着替え、身支度をしていく。
そういえば去年の春までは、たまたまつけた朝のニュースに美人のアナウンサーが出ていて、天気予報の時には一緒に出ている女性気象予報士と、まるで“魔法少女”のように、指し棒をまわしてポーズをとっていたっけ?
眠い朝の時間に、思わずにっこり笑ってしまった時間だった。
そんなことを思い出しながら、着替えを済ませる。
まあ、“美人のアナウンサー”を見てもネタは浮かばず、僕のキーボードは、なかなか進まなかったのだが・・・(^^;

朝食を食べ、顔を洗うと電車に乗って出勤だ。
いつものように満員電車で揺られながら、新聞のチェック。時折、頭のスイッチを切り替え今日の仕事の段取りを考える・・・・ネタを考える時間はない。

会社では、時間に追われながら、瞬く間に時間が過ぎていく。
「お疲れ様でした」
スタッフの声に送られて会社を出たときには、頭はオーバーヒート状態だ。

会社を出て駅に行くと、クリーム色の車体にマルーンの帯が入った電車が止まっていた。 楔形の先頭車両が速さを感じさせる。
電車の中に入ると二人掛けの座席が並んでいる。僕は窓側の席に座った。
朝とは違い、この時間は座席に座ることが出来る。
周りでは音楽を聴いたり、ワンセグの画面を見たり、ゲーム機の上で忙しく指を動かしたり・・・思い思いにすごしている。
僕は、ブリーフケースからメモ帳を出すと、小説のネタを考え始めた。
しかし、なかなか集中が出来ない。今日の仕事のことを思い出したり、雑誌の吊り広告の見出しを見たり・・・書きたいネタはあるのだが?
ふと見ると僕の横に、スーツを着た女性が座った。僕は一礼をして、少し場所を広げてあげた。そして、視線をメモ帳に戻した。
「どう? 少しは進んだの?」
頭の中に声が聞こえた。
チラッと横を見ると、横の女性もこちらを見ている。彼女は、“口では”何も言っていない。しかし僕には、彼女の正体がはっきりわかった。“自分が作り出した?”からだろうか?・・・。
「こんなところにまで、何をしに来た?」
メモ帳に視線を戻しながら尋ねると、
「だって、ぜんぜん話が進まないから」
メモ帳を覗き込むと、
「ほら・・・真っ白じゃない」
「・・・・これから書くんだよ」
それから、しばらく沈黙が続いた。
ちらりと横を見ると、彼女は文庫本に視線を落としている。僕は窓の外に視線を向けた。
電車が動き出した。高架の線路を、まるで滑るように走って行く。
この電車は、東京の方では特急の車両として使われている電車の、いわば“従兄弟”になるそうだ。そのためか乗り心地は良い。
「ペンが、止まっているわよ」
また、頭の中に声が聞こえた。横を見ると、彼女が僕を見ている。
「書ける時は、ドンドン書ける。ダメな時は、全くダメ!」
僕が答えると、
「そういうことだから、ファイターGTさんや、PALさんたちを、いつまでも待たせることになるのよ」
彼女が呆れたような表情で見つめている。
「だから、ファイターGTさんがわたしを呼んだのね・・・・」
僕は、ハッとした。
「“TSの神様”・・・か?」
僕の背中に冷たいものが走った・・・そう、彼が言っていたことを思い出したのだ。
彼女の顔に、笑みが浮かんだ。
「ファイターGTさんが言っていたこと・・・やってみない?」
「まさか?!」
「そう!」
彼女が微笑んだ瞬間、辺りに閃光が走り、僕の意識は遠のいて行った。



「?!」
突然、僕は尻餅をついて、古いが良く手入れをされた木の床の上に、無様に転がってしまった。
「痛いなあ・・・」
顔を顰めながら、僕が床から立ち上がった場所は・・・そう、僕のイメージしていた通りの礼拝堂の中だった。
「ようこそ・・・・“わたしの世界”へ・・・・」
大きな聖母像の前で、彼女が微笑みを浮かべながら言った。
「お前なあ・・・さっさと元の世界に戻してくれないと、お前の作品を書けないだろう?」
「大丈夫よ、この世界にだってインターネットくらい完備しているわよ」
彼女の浮かべた微笑みを見て、その美しさとは反対に、僕は寒気を感じていた。
そう、“自分が書いていた”ものだ・・・・この後、何が起きるかは容易に想像がつく。
彼女が僕に向かって手をかざした瞬間、僕の身長はみるみるうちに低くなりウエストがまるで“女性の腰のように”細くくびれていく。
それとは逆にヒップが大きくなり、スーツの胸の部分が膨らんでいく。
頭がムズムズする・・・・そう思っているうちに髪がスルスルと伸び、後ろで纏まりポニーテールになっていく。
もう自分の体に何が起きているかは、はっきりしていた。
「?!」
また、眩い閃光があたりを包んだ。
とっさに閉じた目を再び開けた時に僕が立っていたのは、自分の部屋だった・・・いや、正確に言うと“女性の部屋になった自分の部屋”だ。
「どう? 準備はできたわよ」
彼女が部屋を見回しながら言った。
「なかなか良いコーディネートでしょう? 気に入ってくれたかしら?」
「馬鹿を言うなよ・・・・早く元に戻せ!」
「あら? その体も、この部屋もお気に召さなかったかしら?」
彼女は笑いながら、
「じゃあ、勝負をしましょう?」
「勝負だって?!」
「そう、勝負・・・」
彼女は僕の目を見ると、
「あなたが、1日・・・その体で『自分が女の子』だと思わなければ、元に戻してあげる」
「簡単だな」
「そうかしら?」
彼女が微笑む・・・・僕は、この時に彼女の微笑みの意味に気が付くべきだった。
「1日だな・・・」
「負けた時には・・・まあ、負けたということにすら、気がつかないかもしれないけどね」
「負けはしないさ・・・」
彼女は、「フフッ」と笑うと、
「じゃあ、また明日・・・」
光の中に消えていった。



『PI・PI・PI・PI・PI』
目覚ましの音で、僕は眠りから覚めた。
蒲団から手を伸ばして、目覚まし時計のスイッチを切ると、腕を伸ばして伸びをした。
一気に体を起こすと、胸にずっしりとした重みを感じてハッとした。思わず体を見下ろした。
ピンク色のパジャマに包まれた体・・・・そして、胸の部分を押し上げる膨らみ。
それは、昨日の出来事が夢ではないということを示している。
「まったく・・・やってくれるよ・・・」
僕は大きくため息をつくと、頭を掻きながら立ち上がった。
クローゼットを開けると、そこにはいつも掛っている紺色のスーツはなかった。
掛っていたのは、同じスーツでもレディースのスーツだ。
「こんなのを着ろって言うのかよ・・・」
少しでも“男らしいものを”・・・とクローゼットを探すが、“奴”はご丁寧にワンピースやスカートスーツばかり・・・“少しでも男性に近い服”は全く用意していない。
「仕方がない」
僕はスーツをハンガーから外した。
パジャマの上着を脱ぐと、そこにはブラジャーに包まれた膨らみが・・・。
「目の毒だって!」
僕は目を瞑ってハンガーに掛っていたブラウスを手に取ると大急ぎで着た。スカートに足を通し、上着を羽織ると、自然に足は鏡台に向かっていたが・・・。
「・・・化粧なんて、冗談じゃない?!」
自分のものとは思えない可愛らしい声で、自分に言い聞かせる。いつの間にか頭の中に入っている“女性としての基礎知識”が、自然に自分に“女性としての動き”をさせてしまう・・・・それが僕には苛立たしかった。
僕は、いつもブリーフケースを置いてある机に向かって歩いた。タワー型のデスクトップパソコンが鎮座していた場所には、ノートパソコンが置かれ、脇には小さなぬいぐるみまで置かれている。
ブリーフケースは、トートバックに変わっていた。
細くきれいな指で中をチェックすると、“立石瑞希”と名前が記入された定期券と会社のIDカードが出てきた。
「確かに・・・“準備”はバッチリだな・・・・」
苦笑いしながら、僕はとにかく会社に向かった。



オレンジとグリーンのツートンカラーに塗られた電車が、高架の線路を大きな音を立てながら走っている。
車内ではいつものように、乗客たちがすし詰めになりながら電車に揺られている。
しかし、“女性に変わってしまった”僕にとっては、見慣れた風景も、やはりいつもとは違っていた。
それはそうだろう・・・今までより背の高さが低くなっている。スーツ姿の男性に埋もれるように電車に乗っている。
“男臭い匂い”が鼻をつく?
「いや・・・僕は男なんだから!」
呟きながら“女性的な思考”を振り払う。
電車が駅に着き、満員の乗客をドアからホームに吐き出した。
僕も人の流れに流されるようにホームに降りると、大きく深呼吸をした。
再び人の流れに乗って改札口を出ると、オフィス街を会社に向かって歩いて行く。
歩道を歩いていると、ショーウインドウに映る“自分の姿”に驚いて、思わず立ち止まってしまった。
紺色のスーツを着た女性。ガラスに映るその女性が驚いて僕を見ている。
長い髪をポニーテールに纏め、ひざ丈のタイトスカートから延びる細い足・・・それは、まぎれもなく・・・・。
「ウッ?!」
背中にぞくぞくとした寒気が走る。
「さあ、さっさと会社へ行こう!」
さっきの思いに気がつかないふりをして、僕は歩きだした。
その歩き方が、周りの女性と同じ内股の女性らしい歩き方になっているのに、僕は全く気がつかなかった。



会社の入り口まで来ると、僕は思わず足を止めた。
この姿で会社へ出かけて、いったいどうなるのか? 僕だと分かってもらえるのか?
今までネットで散々書いてきたことが今、自分に突きつけられている。
「・・・帰るか?」
僕が会社に背を向けた瞬間、
「瑞樹! おはよう!!」
突然声をかけられた。 職場のOL、真鍋さんと高松さんだ。いつものように、ニコニコ笑いながら、
「瑞樹、どこに行くのよ?」
「ずる休みはいけないぞ!」
腕を引っ張られ、半ば引きずるように僕は会社に連れて行かれてしまった。

「こんなの着るのかよ?」
“自分の名前”が書かれたロッカーの前で僕は可愛らしい声でつぶやいた。
ロッカーの中には当然といえば当然なのだが、女子の制服が入っている。
この会社の女子の制服は、周りの会社からも「センスが良い」とか、「可愛い」といわれて評判が良い。
しかし、それはあくまで“見ていて"のことだろう。誰も自分が着るとは夢にも思わないだろうから・・・。
「瑞樹! 早くしないと仕事が始まるわよ?」
「もう、いつも遅いんだから」
さっさと着替えを終えた真鍋さんと高松さんがこちらへやってきた。 制服を手にして立ち尽くしている僕を見ると、
「もう、本当に遅いんだから!」
真鍋さんは高松さんに目配せをすると、その顔に不敵な笑みを浮かべた。恐怖を感じて僕は後ずさりをしようとしたが、高松さんがさっと僕を捕まえた。たちまちのうちに二人が、僕の着ている服を脱がせていく。
「ちょっと・・・だめだったら?!」
慌てている僕にかまわず、彼女たちは僕の服をたちまちのうちに脱がせてしまうと、あっという間に制服に着替えさせてしまった。
「ハイ、出来上がり!」
二人が笑う。
「さあ、仕事が始まるわよ」
二人が更衣室から出て行く。僕は、改めて水色の制服に包まれた自分の体を見下ろした。
清潔感あふれる白いブラウスに包まれた上半身、胸元を彩る大きなリボン。そしてブラウスとベストを大きく持ち上げる胸元のふくらみ。そこからキュッと引き締まったウエストと、水色のタイトスカートに包まれたヒップ。スカートから伸びる引き締まった足・・・これが“自分のものでなければ”ドキッとするだろう・・・・。
「うっ・・・?!」
またゾクゾクとした感覚が体を襲う。自分の体を抱きしめて、思わずしゃがみこみ、その感覚が収まるのを待つ。
ようやく立ち上がると、僕はオフィスに向かおうとしたのだが・・・。
「瑞樹ちゃん!」
後ろから声が聞こえると同時に、膨らんだお尻をすっと誰かに撫でられた。
「キャッ?!」
思わず声を上げて振り返ると、真鍋さんと高松さんがニコニコしながら立っていた。
「あら、可愛らしい声!」
「そんなに驚かなくても良いじゃない」
二人が笑い出す。自分の取った“まるで女の子のような行動”に僕は顔が熱くなってくるのを感じていた。
「あら、真っ赤になって・・可愛いわね」
真鍋さんはショートカットの髪を揺らしながらウインクすると、
「さあ、仕事をしましょう!」



その日も、オフィスもいつもと同じ風景だった。そう、僕が女の子の体になっているということ以外は・・・。しかし、僕にとっては“いつもと変わらない仕事”は、自分が“女の子になっていると意識をせずにすむ時間”でもあった。



「おつかれさまでした!」
夕方5時を過ぎ、オフィスからは少しずつ人の姿が減っていく。
僕もトートバッグを手にすると席を立った。
「それでは、お先に失礼します」
僕は“まるで女の子のように”爽やかな微笑を浮かべて挨拶をしていた。すると、真鍋さんが僕を振り返った。
「アッ・・・瑞樹! 帰りにケーキを食べに行こうよ」
『まずい・・・・そんなことをしていると、女の子を意識する時間が長くなってしまう・・・・』
ここは、一刻も早く家に帰らなくては・・・・僕はそう決めると、
「また、誘ってください」
失礼します・・・・と、ポニーテールを揺らして一礼すると、僕は大急ぎでオフィスを出て行った。

真鍋さんと高松さんが、お互い顔を見合わせて首をかしげている。その後ろにスーツ姿の美しい女性が立って僕の出て行ったドアを見つめている。
「がんるわねえ・・・でも、この後が大変よ・・・・」
彼女は顔に笑みを浮かべながらつぶやいた。





家に帰ると部屋の電気を点ける。
蛍光灯の明かりに照らされたのは、“女の子”の部屋だ。
僕はフラフラと部屋に入ると、部屋の真ん中にペタンと座り込んだ。足が自然に女の子座りになっている。

帰り道、僕は外で食事を済ませようと考えて店を探した。
いつもならば牛丼屋やラーメン屋、あるいは最近増えてきたリーズナブルな定食屋に入っていただろう。
しかし、この日僕が“自然に選んでいた”のは、おしゃれなパスタの店だった。
食事はおいしかった。食事が終わると、出されたデザートを食べ、コーヒーに砂糖とクリームを落として・・・・・。
僕はハッとした。
僕は、コーヒーはブラックで飲んでいなかったっけ?
なぜ、ケーキをこんなにおいしそうに食べているんだ?
それより、パスタよりラーメンをがつがつ食べるほうが僕には美味しくなかったっけ?
これって・・・・。
そう気ががついた瞬間、
「ウッ?!」
また、あのゾクゾクとした感覚が襲ってきた。
「まずい・・・」
僕は気がついた。 この感覚が来るたびに、僕は女の子に染まっているんだ・・・。

この“異常な状況”に加えて、満員電車に揺られて帰ってきた僕は疲れ果てていた。もう、考えることさえ億劫になっている。
「・・・・お風呂に入ろう・・・」
フラフラと立ち上がると、僕はバスルームに向かった。
“慣れた手つき”で細い指先がブラウスのボタンを外し、スカートのファスナーを下ろす。
ブラジャーを外し、ショーツを脱ぐと僕はバスルームに入った。
ボディーソープをつけて体を荒い、シャンプーを泡立てて長くきれいな髪を丁寧に洗っていく。
泡をきれいに洗い流すと、僕は湯船に入った。温かいお湯が一日の疲れを癒していく。
湯船からあがった瞬間、
「?!」
僕はそのまま固まってしまった。
鏡に映る美しい体・・・・それは、まぎれもなく今の自分の姿だ。
“女性にしか有り得ない”胸の二つのふくらみ、細く締まった腰と滑らかな腹部。股間には“本来あるはずのもの“はきれいに”消滅”している。
腕を伸ばせば白く滑らかな肌と、細くきれいな指が見える。
視線を落とすと、すらりと伸びた太ももと“美脚”と呼べそうな足が・・・・。
「アアッ・・・?!」
また、あのゾクゾクとした感覚が襲ってきた・・・・いや、今までより強力な感覚だ。
僕は洗い場に座り込み、自分の体を抱きしめた。
丸いふくらみが、自分の腕で押しつぶされる。

僕はようやく悟った。
“彼女”は僕が生み出した『TSの神様』だ。
この“勝負”は、最初から決着がついていた。
そう、この世界に連れてこられたときに、僕はすでに“負けていた”のだ・・・・そう思った瞬間、僕の意識は遠のいていった・・・・。



浴室のドアが開いた。

わたしは浴室を出ると、バスタオルでやさしく髪を、体を拭いていく。
滑らかな肌触りの下着を身に着け、パジャマを着た。
髪を乾かし自分の部屋に入ると、椅子に座りパソコンの電源を入れた。

「さあ、わたしの体験をみんなに知らせなきゃ・・・・」
ラジオではジェット・ストリームが始まったようだ・・・“ミスター・ロンリー”が流れ、夜の雰囲気にマッチしている。
キーボードの上を細くきれいな指が動いている。



そんなわたしを、後ろから若い女性が見つめている。
「ようやく書き始めてくれたのね・・・・」
彼女は小さく肩をすくめると、
「今まで待たされた分、しっかり書いてもらわなきゃね・・・」
悪戯っぽく微笑むと、光の中に消えていった。




学校の聖母シリーズ

敗北!

(おわり)


初出 NDF4月オフ会


<催し物のページへ>





この作品は、作中でも書きましたが、お休み中のオフ会でのファイターGTさんの一言を元ネタにさせてもらいました。
ありがとうございます(^^)


なお、この小説はフィクションであり、登場する団体・個人は実在のものとは一切関係のないことをお断りしておきます。


<トップページへ>





























Amazon Yahoo 楽天 NTT-X Store DELL ビックカメラ ソフマップ あみあみ 圧倒的狭いスプレッド[海外FX]


乙女ゲームオンライン リボン動画ネットワーク 無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 転職 海外旅行保険が無料! 海外ホテル