B型肝炎 免疫抑制薬に注意を
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B型肝炎 免疫抑制薬に注意を

9月8日 17時23分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

B型肝炎ウイルスに感染したことのある人が、血液のがんなどの治療で免疫を抑える作用のある薬を使ったところ、劇症肝炎を起こして死亡するケースが相次いでいたことが、厚生労働省の研究班の調査で分かりました。専門家は、こうした薬を使う場合は、ウイルスの検査を徹底するよう呼びかけています。

厚生労働省の研究班が行っている劇症肝炎の実態調査で、B型肝炎ウイルスに感染したことのある人が悪性リンパ腫や白血病、それに乳がんなどの治療をきっかけに劇症肝炎を引き起こし、死亡したケースは、おととしまでの6年間で少なくとも17人に上ることが分かりました。このため研究班では、全国のおよそ100施設で、B型肝炎に感染したことがあり、がんなどの治療をしている患者180人の協力を得て血液を分析しました。その結果、4.3%に当たる7人でウイルスが活性化していたということです。死亡が分かった患者や、ウイルスが活性化していた患者は、いずれも免疫を抑える作用のある治療薬を使っていたということで、研究班では、体内に潜んでいたウイルスの遺伝子が治療をきっかけに活性化し、劇症肝炎を引き起こしたとたとみています。研究班の代表を務める埼玉医科大学の持田智教授は「がんやリウマチなどの治療で、こうした免疫を抑えるタイプの薬を使う場合は、B型肝炎のウイルスの検査を徹底してほしい」と話しています。