原発事故など被ばくの危険を伴う事故に備えて、被ばく医療に当たる医師や看護師を育成する講習会が、千葉市で始まりました。こうした講習会は毎年開かれていますが、東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け、ことしは参加希望者が例年よりも多いということです。
この講習会は、千葉市稲毛区にある放射線医学総合研究所が開いたもので、定員の4倍近い応募があったなかから選ばれた20人の医師や看護師らが参加しました。7日は、放射線の基礎知識についての講義から始まり、「放射線」や「放射能」といった用語の正確な意味や、「アルファ線」や「ベータ線」といった放射線の種類とそれぞれの特徴、それに放射線が生物の細胞の中にあるDNAを傷つけることなど、健康への影響について学びました。研究所ではこうした講習会を毎年開いていますが、東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け、ことしは参加希望者が例年よりも多く、開催の回数も増やしているということです。講師を務める研究所の緊急被ばく医療研究センターの立崎英夫室長は「福島第一原発の事故以降、被ばく医療への関心は明らかに高まっている。今回の講習を受けた人には各地で被ばく医療の中心になってもらいたい」と話していました。この講習会は9日まで3日間行われます。