恋愛に関する著書を多数執筆し、大学では「恋愛学入門」という講座も持っている早稲田大学国際教養学部(政治学)の森川友義教授。現在の男女関係において、恋愛の“入り口”ともいえる携帯メールについて、重要な5つの教えをレクチャーしてくれました。
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現代において恋愛は携帯メールで始まる、だから気になる女性に出会ったら即、「赤通(せきつう)」すべしと、僕は学生にいつも言っています。では、首尾よくメアドを交換した後のルールについてお話します。携帯メールには、男が守らなければならない普遍的な決まりごとが少なくとも5つあります。
ひとつ目は、メールは短く端的に、です。長いメールは嫌われます。興味のない人からのメールが長いとまともに読んでもらえません。スクロールすることなしに、一画面で全容が見られるようにしたいものです。
ふたつ目は、絵文字の多用は避ける、です。最近は絵文字を多用する男も少なくないようですが、“絵文字の使用は女性の特権”ぐらいに考えたいもの。いくら相手の女性が絵文字をたくさん使うからといって自分も、というのは安直すぎです。絵文字を使うと軽薄な男に見られてしまう可能性もありますから、極力使わないべきです。ましてや女性にいきなり♥を使ったりしたら、その時点でアウト。もし♥を使ってうまくいったとしても、それはそもそもあなたに興味があったからであり、♥を使ったからではありません。
3つ目は、返信がないからといって不安にならない、です。たぶん、これが一番難しい……。恋愛というのは、常にどちらかに温度差があります。熱くなっているほうは、メールが来たとか来なかったで一喜一憂します。でも我慢。返信がなくともじっと我慢です。待ってやっと来たら、すぐに返信しないことも大切。じっくり推敲(すいこう)して翌日に返信する。知り合って間もない頃は、一日1メール以内です。それ以上では相手の負担になってしまいます。
4つ目は、なれなれしい文体にしない、です。女性が求めるのは男からの尊敬。親近感を出したいと思い、変にくだけた文章を書く男がいますが、これは逆効果。できれば敬語を用いたいものです。男から敬意が払われていることがわかると女性も真剣に向き合おうとするはずです。
最後に、メールを出すタイミングを考える、です。相手がしっかり見てくれる時間、心に残る時間を狙ってメールを出すと有効です。つまり平日の午後にメールを出すのは愚行。社会人なら仕事、大学生なら授業中ですから。そんな時間にメールを受け取ってもインパクトに欠けます。相手がひとりでいそうな時間がいいです。朝よりも夜、週末よりも平日、ということがいえるでしょう。
メールというのは会うための手段。相手を口説いたり、自分の気持ちを伝えたりするための道具ではありません。自分を主張したかったら、会ったときにすべきで、メールではしてはいけません。携帯メールはあくまでデートにこぎ着けるための道具と解釈すれば、上記の5つもすんなりと理解していただけると思っています。
(写真/井上賀津也)