半年前、朝日新聞はどう報じたか。筆者はもうこれ以上は言わない。そう、本コラムの読者ならばすでにご存知だろう。
今日9月8日の朝刊で
またしても…
ところが、これだけだったらまだしも、今朝の紙面で、朝日新聞はさらにやってしまった。
〈3月15日の雨、放射性物質運ぶ 原発北西方向に「帯」〉
このような見出しのあと、次のような文章が続く。
〈東京電力福島第一原発から北西に帯状に延びた高濃度の放射能汚染地帯は、3月15日午後の気象条件が重なり形成されたことが日本原子力研究開発機構の解析でわかった。2号機の事故で放出された大量の放射性物質が雨で地表に落ちた。降雨がなければ、汚染度は大幅に低くなったという。
北西の帯は原発から約40キロの長さで浪江町、飯舘村周辺。政府が今月1日に公表した線量調査でも、高線量地域は北西方向と原発周辺に集中していた。最高(地上1メートル)は警戒区域が大熊町夫沢(原発から南西約1キロ)の毎時139マイクロシーベルト。計画的避難区域では、浪江町昼曽根(同北西約22キロ)で毎時41.3マイクロシーベルトだった。
チェルノブイリ原発事故の強制移住対象となった汚染レベルでみると、該当面積は東京都の4割、800平方キロメートルに及ぶ〉
新聞記者とはなんと優雅で素敵な職業だろうか。いまや、この事実に関しては多くの本が出版され、住民の多くも3月15日の雨として認識している。もちろん筆者も本コラムなどで指摘済みだ。
当時、新聞のみならず、大手メディアはこの事実を書かないばかりか、否定に躍起になっていた。彼らは何に遠慮し、何を庇っていたのか。