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やらせメール問題 北電副社長が陳謝

2011年09月08日

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道議会特別委で答える北電の川合副社長

■社長説明「調査終了後」
■第三者委選考基準、答えず 
■道議会

 北海道電力泊原発3号機のプルサーマル計画をめぐる「やらせメール」問題などを受け、道議会の産炭地域振興・エネルギー問題調査特別委員会は7日、北電幹部を参考人として招き、問題の経緯や泊原発の安全性をただした。7人が出席し、川合克彦副社長が「道民の信頼を損ない、深くおわび申し上げる」とメール問題を陳謝した。特別委は佐藤佳孝社長も招致したが、欠席した。

 「公益企業として行ってはならない不祥事を起こした。ここで説明するのは会社の責任者であるべきだ」。星野高志氏(民主)は質問の冒頭、佐藤社長が欠席した理由をただした。

 川合副社長は「第三者委員会に全権を委ねており、社長も調査される側だ。調査に悪影響を与えてはいけないので表に出ることは考えていない」と答弁。第三者委が来月上旬にもまとめるメール問題の調査結果が出るまでは、佐藤社長が記者会見などで謝罪や説明をする考えはないとした。

 第三者委は弁護士3人と大学教授の計4人からなる。組織的な関与の有無などメール問題の実態を解明するため、北電が3日に設置した。8日、非公開で初会合を開く。

 2008年、プルサーマル計画導入の是非を問う国や道主催のシンポジウムをめぐり、北電の現地事務所渉外課が参加を促すメールを送っていた。特別委の質疑では、役員の関与や調査対象の範囲に関する質問も出たが、北電側は「第三者委の調査結果を待つ」との答弁を繰り返した。

 北電はメール問題を受け、調査結果が明らかになるまで、プルサーマル発電に使われるプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料の製造加工をしないと表明している。

 星野氏は「(計画を認めた)道の政策決定を違う方向に導いた可能性がある」として、計画そのものの凍結を主張。吉井透氏(公明)も「プルサーマルを実施していた福島第一原発3号機の事故の検証のめどすら立っていない。この際、プルサーマル計画は一時凍結ではなく、取りやめるべきではないか」と求めた。

 北電側は「MOX燃料の製造はやみくもに進めるわけではない。地元の方々のご意見をうかがいながら判断していく」と述べた。

 星野氏は第三者委そのものの正当性も問題視。「北電の信頼は地に落ちており、その当事者が委員を選ぶのは説得力がない」として、選考過程を明らかにするよう求めた。川合副社長は「外部有識者の意見を参考にし、利害関係のないふさわしい人が選ばれたと考えている」としたが、選考基準は答えなかった。

 一方、千葉英守氏(自民)は、東日本大震災と同程度の地震が起きた場合の安全性を質問したが、北電側は今回の地震が太平洋上のプレートの境界で起きたことに触れ、「日本海側で発生する地震とは異なるメカニズムで、(泊原発周辺では)同様の地震、津波は起きない」と明言した。傍聴した市民からは「本当なんですか」との声が上がった。

(諸星晃一、杉村和将)

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