(cache) 昭和三陸津波体験、紙芝居で伝え30年 悪夢再来に無力感 - 47NEWS(よんななニュース)
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  •  宮古市田老地区を中心に30年間、自作の紙芝居で小中学生への津波防災啓発活動を続けてきた田畑ヨシさん(86)は今、自然の猛威の前で無力感を味わっている。 田畑さんは1933年、旧岩手県田老町で911人の死者・行方不明者が出た昭和三陸津波を8歳で体験した。生き残った者として「語り継ぐ教訓こそが住民を津波から守ってくれる」と信じ、50代後半から小中学校で紙芝居を上演してきた。 あの惨劇から78年。変わり果てたわが街の姿を目の当たりにし、「昭和三陸大津波の時よりもひどい。みんな助かってくれるといいんだが…」と立ちつくす。 田老では高さ10メートル、総延長2433メートルの防潮堤を越えて津波が押し寄せ、国道45号沿いの商店街や住宅地は跡形もなくなった。田畑さんは自宅近くの高台にある妹(81)の家に避難。自宅は流れてきた家屋に押しつぶされ、逃げ遅れた近所の人も多かったという。 田老では自衛隊や消防が行方不明者の捜索に当たっているが、町全体ががれきの山と化して作業は難航している。「生きてる間にこんな悲惨な津波を2度も経験するとは思わなかった」。田畑さんは悲痛な表情で語った。(阪本直人)
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      【河北新報】