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■放射線の発がんリスク
原子が放射線(光子)を吸収すると電子が飛び出します。 この飛び出した電子が様々な作用を起こし、遺伝子(DNA)に損傷を与え、遺伝子変異を引き起こし、発がんリスクが高まるといわれています。
@直接作用 飛び出した電子とDNA分子との直接的な相互作用により、DNAに損傷が生じます。
A間接作用 飛び出した電子が周囲の水分子と反応し、ラジカル(ヒドロキシラジカル等)を形成し、ラジカルがDNAを損傷します。 水分子は、我々のからだの約70%を占めるといわれているため、放射線による間接作用が発生するリスクは高いと考えられます。 |
 緊急被ばく医療「地域フォーラム」テキスト (平成20年度版)より引用 |
■8OHdG/dG指標
8OHdG(8ヒドロキシデオキシグアノシン)とは 、DNAの構成物質の一つであるdG(デオキシグアノシン)がOH・(ヒドロキシラジカル)により損傷を受けた物質であり、8OHdGがDNAに取り込まれると、遺伝子変異が起こりやすくなるといわれています。 また、8OHdGは酸化ストレスマーカーとしても注目されています。
 「8OHdG/dG指標」とは、dG → 8OHdG誘導率を評価する指標です。 8OHdGの濃度測定だけでは、前駆物質であるdGの影響が考慮されておらず、dG → 8OHdG誘導率を正確に評価することはできません。8OHdG濃度をdG濃度で除することで、バックグラウンドを補正し、より正確なdG → 8OHdG誘導率を求めることができます。
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■放射線の発がんリスクに対する「8OHdG/dG指標」の意義
8OHdG/dG指標は、dG → 8OHdG誘導率を求めることで、間接的にヒドロキシラジカルの発生量を確認できるため、放射線がDNAへ及ぼす間接作用についてのリスク評価に有用だと考えられます。 また、放射線によるDNAへの直接作用においても、8OHdGの誘導率や発生量を確認することで、リスク評価を行うことが可能だと考えています。
未曾有の事態に際し、一刻も早く、簡便で確度の高い放射線リスクの評価技術をご提供するため、鋭意研究開発に取り組む所存です。 |