紀伊半島を中心として、死者２７名、行方不明者５２名という甚大な被害をもたらした台風１２号により、関西電力をはじめ電力各社で、送配電線や変電所、発電所などの設備被害が相次いだ。

関電では、延べ停電件数が約１９万２７５０件に達した。５日午前９時現在で、和歌山県を中心に約２万９８３０件で停電が続いている。同社では懸命な復旧に努めているが、道路など交通網が寸断されている地域も多く、被害が長引く可能性もある。また、水力では長殿発電所（奈良県十津川村、１万５３００キロワット）が水没したほか、船津発電所（和歌山県日高川町、２５００キロワット）でも浸水被害が発生した。両発電所とも復旧の見通しは立っていない。

中部電力でも三重県内の一部で冠水や土砂崩れなどにより、道路が寸断され、復旧作業に支障が出ている。５日午前１０時現在で約６０件が停電中。

延べ停電件数が２万７９００件に達した中国電力では、４日までに停電はほぼ解消された。 （本紙１面より）