三洋電機が元子会社を相手取り、社名に「三洋」を使わないよう求める訴訟を大阪地裁に起こしたことがわかった。元子会社側は答弁書で「名前に三洋がつく企業は(三洋電機と資本関係のない企業も含めて)国内に1千以上あり、三洋電機独自の名称ではない」と反論。6日の第1回口頭弁論で請求棄却を求めた。
訴状などによると、元子会社は大阪市の住宅メーカー「三洋ホームズ」。三洋ホームズは1969年に鉄工会社の子会社として別の社名で設立された後、2002年に三洋電機の子会社となり、現在の社名になった。一方、三洋電機は今年4月にパナソニックの傘下に完全に入り、三洋ホームズの株をすべて売却して資本関係がなくなった。
三洋電機は「契約上、三洋ホームズが社名に三洋を使える期間は3月までだった」と主張。消費者を誤解させる可能性があるなどとし、三洋ホームズとその傘下の「三洋ホームズコミュニティ」、「三洋リフォーム」に三洋を使わないよう求めている。
現在、三洋ホームズはパナソニック傘下の住宅設備会社「パナソニック電工」と競合する「LIXIL(リクシル)」(住生活グループ傘下)が筆頭株主。三洋ホームズは朝日新聞の取材に「係争中なのでコメントできない」としている。(岡本玄)