養子縁組で仏に渡った政治家、「韓国人」発言に反発

 韓国からフランスに養子縁組された「緑の党」所属の政治家、ジャン・ヴァンサン・プラセ氏(43)=写真=の国籍が、フランスの政界で話題になった。

 事の発端は、サルコジ仏大統領が所属する政党・国民運動連合(UMP)のアレン・マルレ議員が今月3日の党大会で、選挙戦略に関する質問を受けた際「韓国人のジャン・ヴァンサン・プラセは痛い目に遭うだろう」と述べた発言だった。25日に実施される上院選挙で、プラセ氏が緑の党の候補者リストの上位に入っていることを皮肉ったものだ。

 1968年にソウル市で生まれたプラセ氏は、7歳のときにカトリック系弁護士の家庭に養子縁組されフランスに渡った。現在は緑の党に所属し、イル・ド・フランス地域圏議会の交通部門副議長を務めている。かつて、フランス政府から国家功労勲章シュヴァリエ(騎士)章を授与されたこともある。

 プラセ氏は、養子縁組される前に生活していた保育園について「冷たい水で顔を洗い、大勢で共同生活をした記憶がある」と語った。同氏は75年、洋服が数枚入ったトランクと聖書1冊を持ってフランスに渡った。養父母は右派だったが、経済学を専攻し、左派急進党員として政界に足を踏み入れた。2001年に緑の党に移籍し、同党の事務副総長も務めた。

 今回、出身国が取り沙汰されたことに対し、プラセ氏は「人種主義的な発言だ」として訴訟も辞さない構えだ。「養子になってからはフランス人として暮らし、学校でも(人種や出身国を理由に)からかわれたことはない。まるで(養子に出された)36年前に戻ったような思いだ」と現在の心境を語っている。マルレ議員の発言に対し、UMPのジャン・フランソワ・コペ幹事長は「遺憾に思う」と謝罪の意を示した。

 だが現地メディアは、こうした論争が起こった背景には、景気低迷と失業者の増加で急速に右傾化しているフランス社会の実態を垣間見ることができると分析している。

パリ=キム・ソンヒョン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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