女性の寝顔撮っても御用…「盗撮」のボーダーラインはどこ?
2011年9月7日(水)17時0分配信 夕刊フジ
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電車内で寝入る女性の姿を携帯カメラで撮影した会社員の男(46)が、千葉県警に県迷惑防止条例違反(盗撮)の容疑で逮捕された。たとえ服の上からでも、相手の了承なしに撮影すれば「盗撮」という判断だが…。
県警松戸署によると、男は4日午後11時40分ごろ、JR常磐線の快速電車内で右隣に座って寝ていた女子専門学校生(24)の顔など上半身を盗撮した疑い。女性がシャッター音に気づき、取り押さえた。男は「かわいかったので撮った」と容疑を認めているという。男の携帯電話からは他の女性の写真も見つかっており、同署は余罪についても調べている。
携帯電話を使う盗撮事件の大半は、女性の背後からスカート内などの下半身を狙うもの。顔や上半身の撮影での逮捕は異例だ。しかも、同様のケースで逮捕された男性が無罪となった例もある。
2006年7月、北海道のスーパーで買い物中の女性(当時27)の臀部を撮影し、道迷惑防止条例違反(卑わいな行為)の罪に問われた男性に対し、旭川簡裁は、「服の上からの撮影では条例違反とは言えない」として無罪を言い渡した。検察側は「公共の場で、女性を著しく辱め、不安を覚えさせた」と主張したが認められなかった。
では今回、千葉で逮捕された男の罪はどうなるのか。日大名誉教授の板倉宏氏は「立件のハードルは高い」とみる。
「前提として、無断で他人を撮影する行為自体を罪に問う法律はありません。もちろん、社会常識として相手の了承を得るべきですが、法律論でもって、被害女性を『著しく辱め不安を覚えさせた』と立証できるのかどうか。相手が水着姿なら話は別ですが、服を着た上半身だけなら、不起訴または起訴猶予の可能性は否定できません」
ただ、今回の男は常習性が認められることから、一罰百戒の意味で逮捕に踏み切った可能性が高いという。
「仮に起訴されなかったとしても、今回の逮捕で失った社会的信用は計り知れない。いずれにしても、こうした失礼な行為は厳に慎むことです」と板倉氏は忠告する。
美しい女性の無防備な姿に遭遇しても、それを記録する行為は厳禁。あくまで“記憶”にとどめておくべし、ということか。