早いものでもう9月に入りすでに一週間経ちました。日本とは違い、中国では9月は新学期の始まりの月でもあり、新年度の始まりの月でもあります。
そして9月1日から、中国では外交部の記者会見制度に大きな変更がありました。これまで毎週火曜日と木曜日の週2回行われていた外交部記者会見が、9月からは月曜日〜金曜日までの週5回開催されることになったのです。
私は最初、8月末にこのニュースを初めて目にしたときは正直言って少しげんなりしました。長いときにはA4にして10ページぐらいの長さになるほどの記者会見です。しかも少なくとも、これからは「外国人記者と報道官が丁々発止のやり取りを繰り広げる場」が毎日できることになるわけで・・・誰もが考えてみるだけでも「大丈夫か?!」と思ってしまうでしょう。
そんな外国人報道関係者の「懸念」を察知したのか、馬朝旭報道官は9月1日の会見冒頭、「記者会見の回数が増えることで、報道官や事務方の作業量も倍に増えるだろうし、皆さんも忙しくなるだろう。効率を向上させ、効果を確保するため、記者会見1回分の時間を20分以内とし、主に外交問題を中心に据えて情報を発表する。記者の皆さんがこれまで通り報道官の業務を支持してこれに協力し、相互尊重、および建設的な雰囲気で専門的な交流を行うことを希望する(以下略)」と述べたのです。
これまでの会見は、紛糾したときには数時間になることもありました。また微妙な問題については「●●部に聞いてほしい」などといった言葉で逃れることが多かったわけで、馬朝旭報道官の冒頭の言葉は、「(中国政府に都合のいい)外交問題以外は聞くな」「20分で切り上げるから」という政府の意向を伝え、事前に記者に「クギ」を刺したものだと言えます。
「政府の情報発表」というものにこれまでも神経を使ってきた中国政府でしたが、ここに来て外交部記者会見の回数を5回に増やしたことは上辺から見ると、突拍子もないことのように見えます。しかし私はその背後に、中国国内の情報の形態の変化があると考えています。
その最たるものがミニブログでしょう。先の高速鉄道事故や一連の鉄道故障事故、渤海湾の原油漏出事故、大連の石油化学工場の火災といった国内の重大事故・事件はすべてミニブログから第一報が報じられています。
中国政府はこれまで、インターネットの情報を掌握することで国内世論を管理してきました。しかし、ミニブログの情報が先行してネットに流れて大事になり、国内外のメディアがそれを大々的に取り上げるというパターンがここ数ヶ月増え、国内メディアの面目丸つぶれの状況になってきています。当然ミニブログの情報は、プラスの情報ばかりを伝える国内メディアと違い、中国政府にとってはマイナスのイメージとなるものが多く含まれているわけです。
中国政府はこのような、ミニブログからの情報を国外メディアが過剰に重要視すれば、中国自身のイメージが「誤解される」と考えているふしがあり、今回の措置は、これを外交部記者会見という「公式情報」で払拭したいという狙いがあるといえます。逆に言えば、中国政府がミニブログからの情報が先行する状況に危機感を募らせている証だと考えられます。
事実中央テレビのキャスターは8月末、ミニブログからの情報が「デマ」だったことで多数の庶民が損害を被った事件をニュース番組で紹介し、「ミニブログからの情報を盲目的に信用しないように」と警告しました。これはとりもなおさず、中国政府の国民への一種の「メッセージ」だと言えます。
「都合の悪いものは見せない」という根本的な姿勢が変わらない限りは、報道官制度を変えても無駄であることはあきらかです。それに中国政府は気づくかどうか・・。
そして9月1日から、中国では外交部の記者会見制度に大きな変更がありました。これまで毎週火曜日と木曜日の週2回行われていた外交部記者会見が、9月からは月曜日〜金曜日までの週5回開催されることになったのです。
私は最初、8月末にこのニュースを初めて目にしたときは正直言って少しげんなりしました。長いときにはA4にして10ページぐらいの長さになるほどの記者会見です。しかも少なくとも、これからは「外国人記者と報道官が丁々発止のやり取りを繰り広げる場」が毎日できることになるわけで・・・誰もが考えてみるだけでも「大丈夫か?!」と思ってしまうでしょう。
そんな外国人報道関係者の「懸念」を察知したのか、馬朝旭報道官は9月1日の会見冒頭、「記者会見の回数が増えることで、報道官や事務方の作業量も倍に増えるだろうし、皆さんも忙しくなるだろう。効率を向上させ、効果を確保するため、記者会見1回分の時間を20分以内とし、主に外交問題を中心に据えて情報を発表する。記者の皆さんがこれまで通り報道官の業務を支持してこれに協力し、相互尊重、および建設的な雰囲気で専門的な交流を行うことを希望する(以下略)」と述べたのです。
これまでの会見は、紛糾したときには数時間になることもありました。また微妙な問題については「●●部に聞いてほしい」などといった言葉で逃れることが多かったわけで、馬朝旭報道官の冒頭の言葉は、「(中国政府に都合のいい)外交問題以外は聞くな」「20分で切り上げるから」という政府の意向を伝え、事前に記者に「クギ」を刺したものだと言えます。
「政府の情報発表」というものにこれまでも神経を使ってきた中国政府でしたが、ここに来て外交部記者会見の回数を5回に増やしたことは上辺から見ると、突拍子もないことのように見えます。しかし私はその背後に、中国国内の情報の形態の変化があると考えています。
その最たるものがミニブログでしょう。先の高速鉄道事故や一連の鉄道故障事故、渤海湾の原油漏出事故、大連の石油化学工場の火災といった国内の重大事故・事件はすべてミニブログから第一報が報じられています。
中国政府はこれまで、インターネットの情報を掌握することで国内世論を管理してきました。しかし、ミニブログの情報が先行してネットに流れて大事になり、国内外のメディアがそれを大々的に取り上げるというパターンがここ数ヶ月増え、国内メディアの面目丸つぶれの状況になってきています。当然ミニブログの情報は、プラスの情報ばかりを伝える国内メディアと違い、中国政府にとってはマイナスのイメージとなるものが多く含まれているわけです。
中国政府はこのような、ミニブログからの情報を国外メディアが過剰に重要視すれば、中国自身のイメージが「誤解される」と考えているふしがあり、今回の措置は、これを外交部記者会見という「公式情報」で払拭したいという狙いがあるといえます。逆に言えば、中国政府がミニブログからの情報が先行する状況に危機感を募らせている証だと考えられます。
事実中央テレビのキャスターは8月末、ミニブログからの情報が「デマ」だったことで多数の庶民が損害を被った事件をニュース番組で紹介し、「ミニブログからの情報を盲目的に信用しないように」と警告しました。これはとりもなおさず、中国政府の国民への一種の「メッセージ」だと言えます。
「都合の悪いものは見せない」という根本的な姿勢が変わらない限りは、報道官制度を変えても無駄であることはあきらかです。それに中国政府は気づくかどうか・・。
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