暴力団組員であることを隠して金融機関から通帳をだまし取ったとして、県警組織犯罪対策課や彦根署などは6日、詐欺の疑いで暴力団組員で彦根市大藪町、無職中野保之容疑者(39)=恐喝の罪で起訴=を逮捕した。
同課によると、金融機関が独自に設けた「暴力団排除規約」は暴力団員が口座を開設することを禁じており、県内ではこれを適用し通帳詐欺容疑事件を立件するのは初めて。
逮捕容疑は、3月24日、彦根市内の金融機関で、暴力団組員であることを隠して、申込書などの関係書類を提出、自分名義の通帳1通をだまし取ったとされる。中野容疑者は容疑を認めているという。
この金融機関は昨年に規約を設けていた。暴力団排除の機運の高まりを背景に、県内のほとんどの金融機関で設けられている。
今年8月施行した県暴力団排除条例でも、契約時における措置として、事業者は暴力団の活動を助長するなどの疑いがある場合の書面契約の締結時、相手方が暴力団員でないことを確認するよう努める条文がある。
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