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ホッとニュース 【9月7日03時18分更新】
能登の珪藻土で農地再生目指す 4社、南相馬に提供へ
田崎名誉教授はこれまでの実験で、放射線量が高い土壌を粉末状の粘土などで覆うと、 放出される放射線量が半分以下に減らせることを確認し、7月からは南相馬市馬場の水田 で実証実験を行っていた。 実験では、福島第1原発の汚染水処理に使われたゼオライト、土壌改良用の貝化石など 、さまざまな材料を水田に散布して除染効果を検証。熱処理前の能登産珪藻土の場合、土 壌サンプルの線量は約100〜120cpm(cpmは放射線量を表す単位)となり、他 の材料との比較で最も低くなった。 珪藻土は植物プランクトンの堆積物で、日本海側を中心に全国で産出される。能登産は 粘土質でカルシウムやマグネシウム、カリ、鉄などの元素を豊富に含む。加えて微生物が 多く生息するという珍しい特徴がある。実験で、他産地の珪藻土の除染効果も検証したが 、能登産には及ばなかった。 ただし、能登産でも熱を加えた物は効果が小さかったことから、田崎名誉教授は、珪藻 土中の微生物が放射性物質を吸着、固定するのではないかとみて、分析を進めている。 七尾、珠洲の業者でつくる能登珪藻土研究会には、8月下旬に田崎名誉教授から実験結 果が伝えられた。現在、産出量に余裕がある山を持つ4社が協力する方針で、第1弾とし て27日に田崎名誉教授が南相馬市で開く農家向けの講習会に提供する。継続的な提供が 可能かどうかも検討するという。 同研究会によると、コンロの材料などに使われる能登の珪藻土は需要が落ち込み、産出 量も減少傾向にある。木地一夫代表は「被災地のために役立つのはもちろん、新たな用途 や認知度の向上にもつながればうれしい」と話した。
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