東日本大震災から半年になるのに合わせてNHKが仮設住宅などに暮らすおよそ560人にアンケートを行ったところ、2人に1人が「収入が足りない」と答えました。今後の収入についても「見通しがたたない」もしくは「1年以内に途絶える」と答えた人が半数を超え、半年になっても生活の再建が進まず、今後に不安を抱えていることが浮き彫りになりました。
NHKは、先月25日から今月2日にかけ、特に被害が大きかった岩手・宮城・福島の東北3県で被災し仮設住宅に暮らす人など557人にアンケートを行いました。このなかで家計の状況を尋ねたところ、ひと月あたりの世帯収入は、▽「ない、ほとんどない」と答えた人が9%、▽「5万円未満」が4%、▽「5万円から10万円未満」が10%、などとなっていて、4人に1人がひと月に10万円以下の収入で家族の暮らしをまかなっていると答えました。出費に対する世帯の収入は、▽「かなり足りない」と答えた人が17%、▽「やや足りない」が34%で、2人に1人が「収入が足りない」と答え、▽残りは「おおよそ」もしくは「十分足りている」と回答しました。「収入が足りている」と答えた人を含めて多くの人が食費や光熱費を節約していると答え、中には「子どもに食べさせるため自分は1日に1食で済ませているが、半年で10キロ痩せた」とか「収入がほとんどないので支援物資のインスタント食品ばかり食べ続けているせいか体の調子を崩している」など、切り詰めた生活の実情を明かした人もいました。さらに、今後の収入のめどは、▽「見通しがたっていない」が26%、▽「1年以内に収入や貯蓄が途絶える」が25%と、半数を超える人が長期の見通しが立っていないと答え、半年になっても生活の再建が進まず、今後に不安を抱えていることが浮き彫りになりました。今回の結果について、災害復興に詳しい明治大学の中林一樹特任教授は「収入がないために外に出ず食を切り詰めることは、孤独死や災害関連死という形で命を縮めることにもつながりかねない。いま大事なのは生活を営むための様々な支援で、仮設の商店や作業所を整備して臨時の雇用を継続させるなど、本格的な復興までの間をつなぐ取り組みが重要になってきている」と指摘しています。