東日本大震災
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【社会】原発周辺対象 電気代の一部現金給付 天下り法人 独占受注2011年9月7日 07時41分 原発が立地する周辺地域への電気料金の割引事業をめぐり、経済産業省OBが四代続けて理事長を務める財団法人が、割引分の現金を各世帯などに給付する業務を事実上、独占的に受注していることが分かった。同省などが通達や給付金の運用規則で財団に半ばお墨付きを与えていた。地域振興を名目に国から交付された原発マネーが、特定の天下り団体に流れ込んでいる。 この財団法人は電源地域振興センター(東京都)。自治体から業務を受注した後、電力会社に事実上丸投げし、二〇一〇年度の場合、計約三千八百万円(決算額)を得ていた。 割引制度は、国が地方自治体に給付金を交付した後、自治体がセンターに補助金として支出する。一〇年度は原発のある北海道や福井、静岡など十五道県に計約二百十億円が交付され、センターが住民への支払い業務のすべてに携わった。しかし、給付金の計算や住民らへの現金振り込みなどの実務は、電力会社が行っていた。 経産省などは〇四年に定めた運用規則で、給付業務の主体を原発設置の円滑化に資する事業を行う公益法人などに限っている。また、センター設立直後の一九九〇年から、原則としてセンターを活用するよう各自治体に通達を出していた。通達は〇五年に廃止されたが、同様の業務を行う公益法人は他になく、事実上の独占が続いている。 同省資源エネルギー庁電源地域整備室は「今はどの団体を選ぶかは各自治体の裁量に任せている」と説明する。しかし、原発立地県の担当者からは「慣例としてお願いせざるをえない」との声が出ている。 センター理事長で、元中小企業庁長官の新(あたらし)欣樹(きんじゅ)氏は「電力会社がちゃんとやっているかどうかをみたりしている。(業務の)丸投げじゃない」と説明している。 ■仕事やらせる典型 兵庫県立大大学院の中野雅至教授の話 通達や規則を通じ、行政が所管する財団法人に仕事をやらせる典型例の一つだ。財団には天下りが行われており、仕事と人事が切り離されているのか監視が必要だ。民主党政権の発足時は、事業仕分けなどで公益法人改革が叫ばれたが、今はその声も弱まっている。官庁所管の公益法人は必要性を含めてゼロベースで議論することが必要だろう。 (東京新聞) PR情報
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