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4日未明の大雨がとどめ 避難のデッドラインを見逃した被災自治体

4日未明の大雨がとどめ 避難のデッドラインを見逃した被災自治体
9月5日の井関保育所の様子=5日午前、和歌山県那智勝浦町(志儀駒貴撮影)

 観測史上最高の雨量を記録し、98人の死者・行方不明者を出した平成16年の台風23号を超える被害となった今回の台風12号。雨が本格化したのは9月に入ってからだが、防災の専門家らは「雨が降る時間が長かっただけに判断の時間的余裕があったはず」と、被災自治体の判断に疑問を呈している。

 「9月4日午前0時から数時間の雨が、今回の惨事の引き金になった」と、山口大学農学部の山本晴彦教授(気象災害)は分析する。

 12号は3日午前9時ごろに高知県に上陸、そのまま北に進み、4日未明に日本海へ抜けた。

 山本教授が和歌山県那智勝浦町の降雨量を調べたところ、3日夜までの1時間あたりの雨量は20ミリ程度。しかし、4日午前1時台には60ミリと増え、2時台は120ミリ、3時台100ミリとなった。一気に雨量がはね上がり、奈良県上北山村で観測史上最高の72時間雨量1652ミリを記録した。

 土砂災害に詳しい静岡大学総合防災センターの牛山素行(もとゆき)准教授(自然災害科学)は「集中豪雨より、長時間の降雨の方が大きな被害を生む。それが、地盤ごと山が崩れたり地滑りを起こしたりする深層崩壊や河川氾濫につながった」と指摘する。

 紀伊半島で甚大な被害がもたらされていたとき、台風12号はすでに日本海側に抜けようとしていた。「それでも雨が降り続けたのが台風12号の大きな特徴だった」と山本教授はいう。

 気象庁によると、台風12号は太平洋高気圧と日本海に張り出した高気圧に阻まれ、人間の徒歩速度ほどの「ノロノロ台風」となった。この間、台風に向かって流れ込んだ湿った空気により、紀伊半島で雨雲となる積乱雲が次々と生まれたため、台風が通過しても降雨は続いた。

 紀伊半島は降雨量が多いことで知られるが、山本教授は「3日までに雨が止んでいたら、これまでの台風と同程度の被害だったははずだ」

 三重県尾鷲(おわせ)市の防災担当者は「3日までの雨をみている限り、熊野川が氾濫するとは思わなかった」と振り返っている。那智勝浦町の那智川は4日未明から朝にかけ氾濫した。このことから3日の夕方までが住民への避難呼びかけの判断時期の「デッドライン」だったことになる。

 「夜間は空気が冷え、雨脚が強くなり、未明から朝にかけて被害が大きくなるのは常識。つまり避難のタイミングは雨の少ない昼間しかない。それを逃さないように行政関係者は前倒しで判断しなければならない」と関西大学の河田恵昭教授(危機管理)と指摘する。

 そのうえで今回の被害について、河田教授は「状況が変化しだしてからの判断は誰でも難しい。被害が大きかった各自治体は風雨水害の原則を見逃したとしか思えない」としている。

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台風  大雨  日本海  危機管理  水害  

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