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[政治]ニュース トピック:主張
【主張】前首相の献金問題 国民の疑問に検察応えよ
菅直人前首相の資金管理団体が、北朝鮮や拉致事件容疑者と関係の深い団体に巨額の政治献金をしていた問題は、東京地検特捜部が告発状を受理し、新たな段階に入った。先の通常国会で、菅氏は説明責任をほとんど果たしていない。特捜部の徹底解明が必要だ。
告発状は、資金管理団体の平成19年分帳簿の資金残高がマイナスでも、問題の政治団体「政権交代をめざす市民の会」に献金していた矛盾点を指摘し、収支報告書に借入金などの記載がないのは政治資金規正法違反罪(虚偽記載)にあたるとしている。
献金をめぐる疑惑は、これにとどまらない。
菅氏側から市民の会に限度額上限の5000万円が渡った19年は、参院選と統一地方選が重なった年だ。先月の衆院予算委員会で、自民党側は「選挙支援ではないか」と菅氏を追及し、この年の市民の会の人件費が際立って多いことから、公職選挙法で禁止されている選挙運動者への金銭供与の疑いも指摘した。
また、市民の会やその母体である「市民の党」など関連3団体には、菅氏や鳩山由紀夫元首相をはじめ、民主党の国会議員や東京都総支部連合会(東京都連)などから1億5000万円を超える献金が行われている。民主党からの直接献金を隠すための迂回(うかい)献金だった疑いも浮上している。迂回献金は、政治資金規正法の趣旨を逸脱した行為だ。
検察当局は、これらの疑惑にもメスを入れてほしい。特に、菅氏側からの献金、6250万円の原資の多くは、国民の税金である政党交付金だ。中途半端な捜査では、国民は納得しない。
東京地検は、菅氏が在日韓国人から献金を受けていた問題でも、規正法違反罪での告発状を受理している。菅氏は受け取った104万円を返したとしているが、領収書の国会提出を拒んだままだ。この捜査結果も待たれる。
外国人からの違法献金が発覚するケースは、民主党議員に目立って多い。野田佳彦首相の資金管理団体も、在日韓国人2人から献金を受けていたことが判明した。民主党が「党是」とする外国人参政権導入の問題が絡んでいるとすれば、由々しき問題である。
秋の臨時国会では予算委員会を開き、自民党など野党の徹底追及を求めたい。
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