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もちろん地域医療に取り組むには医療者としての道義として、採算が取れないからといってすぐに撤退することは許されないでしょう。それでも、赤字垂れ流しの状態で、「道義的責任」や「使命感」だけで続けられるのはせいぜい数年でしょう。
練馬光が丘病院に対して「20年間も赤字が続く厳しい状況の中、よくやってくれた」というねぎらいの言葉ではなく、「契約不履行」という非難の声明が投げかけられるのは、医療従事者としては沈痛の極みです。
「赤字でもやれ」では前に進まない
私が最後に一番訴えたいのは、医療費が増額されない中で、「赤字でも必要なのだから、撤退せずやり続けるべきである」と病院に強要するだけでは、議論が先に進まないということです。
医療費の負担増をどのように分かち合うのか、そして、賄いきれない部分については、医療機関の閉鎖や医療機能の縮小などをタブー扱いしないで、より現実的な意見交換が行われるべきです。
日大練馬光が丘病院を引き継ぐ医療機関の公募結果は、現時点では明らかになっていません。心臓循環器救急医療などが条件から消えていることから、現在の医療水準と医療機能が大幅に低下する可能性が高いと思われます。
行政は「安定した地域医療を継続して提供する」という理想を掲げる一報で、現実には医療給付の制限を行っています。このままでは、また同じ事態が繰り返されるに違いありません。
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